関東 水天宮 北海道 能登 小石川 靖国神社 谷中 下谷 東京 日本橋 浅草 蔵前 三鷹 駒込 上野

ていき、とある花屋で訊くとすぐわかった。この辺は関東の大地震の災害をも、また戦災をも免れていて、一体の家並はひどく古めかしかっ

かける隙を与えずに、足早にすぐ目の前にある水天宮の境内へ這入っていった。流石におじさんの後を追うわけにもいか

もなくなったので、私はふとその気になって、北海道の炭坑へ行った。私はおじさんにいとま乞いもしないで北海道へ行っ

へ行った。私はおじさんにいとま乞いもしないで北海道へ行ってしまった。その前に私はおじさんを騙すようなことをし

おじさんは能登の七尾の人で、三十位のときに国を飛び出して東京へ来て

ては大先輩に当るわけである。またおじさんはかつて、小石川のどこやらの裏店に住んでいた、雌伏時代の菊池寛のもとに配達

「靖国神社へ行ったよ。」とおじさんは云った。

ひまの折りに是非一度ご光来下さるようお待ち申します。谷中○○寺内、野辺地礼次郎、追伸、五重塔を目じるしにお出になりその辺にて

をこの目で見届けたい心を起こさせた。私は早速谷中まで出かけて行った。省線日暮里駅で下りて、五重塔を目あてにして歩いて

私が下谷の竜泉寺町にあったその店に住み込んだのは、日華の戦争がはじまる

昭和二十年の三月上旬に、Ｂ29が東京の下町を襲撃した際に、私は一人の年寄と連れ立って逃げた

七尾の人で、三十位のときに国を飛び出して東京へ来て、それ以来この職業に携わってきたのだという。明治

ものと見える。同郷のかつてのおじさんの知合の男が東京見物をするのに伴いてきたのか、それとも、わざわざおじさん

私はまた東京に帰ってきた。ある日、三の輪の店へ行くと、主人はおじ

変った中折帽を被り、手頸に小さな袋をぶらさげて、日本橋の蠣殻町の方へ出かけていく。蠣殻町というところは株屋のあるところで

新鮮な空気のなかを、竜泉寺町から千束町に出て、浅草の観音さまの境内を抜けていくのである。これはおじさんの日課

て、割引の映画を見たりして過ごした。私が浅草から帰ってくる頃には、店の間は電気も消えてしんとして

、年寄にそんな面倒くさい仕事を押しつけて置いて、その間を浅草公園へ出かけて、割引の映画を見たりして過ごした。私が浅草

酔った泥鰌のようにぐんにゃりして、眠ってしまった。浅草へ出かけて行って、映画を見たり浪花節をきいてきたりすることも

見たり浪花節をきいてきたりすることもなかった。むかし蔵前のＡ新聞の店にいたときは、近くに浪花節の常設の小屋が

疎開した後の家の留守番に這入り込んだ。私は三鷹から三河島の工場まで通ったが、それから空襲が頻繁になって、

はその店に身を置くことになり、私は郊外の三鷹町にある友人が疎開した後の家の留守番に這入り込んだ。私

ある日、用事で駒込の方へ行き、とある外食券食堂に這入ったら、そこにおじさんがいた

さんは日曜日には、蠣殻町の方が休みなので、上野の山まで足をのばして、素人野球を見物して時間つぶしをしている