須磨 神戸 東京 軽井沢

の名前に似てゐたばつかりに。私はそこから須磨のＴ君のところへ電話をかけた。Ｔ君はすぐ私のゐる店へ

の一種獨特な旅愁。――私はさつぱり樣子のわからない神戸驛に下りると、東京では見かけたことのない眞つ白なタクシイを

不意に、明日からのクリスマスを樂しく送りに、わざわざこんな神戸くんだりまでやつて來たかのやうな氣にさへなり出したほどであつた

様子のわからない神戸駅に下りると、東京では見かけたことのない

こんな神戸くんだりまでやって来たかのような気にさえなり出した

きた。その聞きなれない異樣な叫びは、自分がいま東京から離れてゐる、目に見えない長距離を、一瞬間、私の目に

――私はさつぱり樣子のわからない神戸驛に下りると、東京では見かけたことのない眞つ白なタクシイを呼び止め、氣輕に運賃

輕さうにはひつて行つた。ただその店の名前が東京で私の行きつけてゐる珈琲店の名前に似てゐたばつかりに。

空いてゐるきりだ。それも丁度いまその部屋の借り手が東京へクリスマスをしに行つてゐるので、その間だけなら貸すことが出來る

すつかり扁桃腺をこじらせて、八度近い熱を出しながら、東京へ歸つて來た。――さうしてそれなり寢ついてしまつた私

か、エレガントだとか云う店は毎年軽井沢に出張しているので私には