木の十字架 / 堀辰雄

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地名一覧

軽井沢

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その教会というのは、――信州軽井沢にある、聖パウロ・カトリック教会。いまから五年前(一九三五年)に、

になると、よく雪なんぞのなかを汽車に乗って、軽井沢まで来た。軽井沢も冬じゅう人気のないことは同様だが、それでも

雪なんぞのなかを汽車に乗って、軽井沢まで来た。軽井沢も冬じゅう人気のないことは同様だが、それでも、いつも二三人は

なく、その春さりげなく結婚をして、しかしその年もやはり軽井沢の山中で秋深くなるまで暮しつづけていた。が、今年はどうも私

の或る日なんぞ、新しく出来た愛人を携えて、漂然と軽井沢に立ち現われたりした。そう云えば、あのときなんぞ彼の弱っていた身体

て結婚するや否や、誰にも知らさずに、すぐ軽井沢に立ってきた私達に、次ぎのような手紙を添えて、私達にささやか

月の半ば頃、立原はその新しい愛人とはじめての旅行を軽井沢に試みたときに既に訪れたことがあったのだそうだ。丁度、私

それから、その夏(去年)軽井沢へ往ったときは漸く宿望の蓄音機をもっていけたので、私の好き

その夏、軽井沢では、急に切迫しだしたように見える欧羅巴の危機のために

、他に二三人の学生同伴で、日曜日の朝、ひょっくり軽井沢に現われ、その教会の弥撒に参列しないかと私を誘いに来てくれ

追分

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八月の末になってから、その夏じゅう追分で暮していた津村信夫君が、きのう追分に来たという神保光太郎君

巴里

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―以前その女の身を誤らせたことのある青年が巴里からはるばるとその村までその女に逢いに来る。彼はその若い女を

盛岡

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です……」と、そんな事を若い詩人の立原道造が盛岡への一人旅から私達のところに書いてよこしたのは、彼が亡くなる

東京

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いる可憐な愛人がせっかく出来たのに、その愛人をとおく東京に残して、そうやって一人で旅をつづけているなんて、いかにも立原

そうだ。丁度、私の父が急病になって私達が東京に帰っていた間のことらしい。立原たちは、私達が留守でも