追分 高崎 軽井沢 浅間山 横浜 東京

）も加わってよもやまの話。――田部さんは本当に追分がお好きらしい。ことにこんな風に一杯聞こし召されようものなら、誰に向っても

かとスキイに行かれたお帰りだとか。皆と高崎で別れて、お一人だけわざわざこちらに寄られた由。――茶の間の大

すっかり雪に埋もれた軽井沢に着いた時分には、もう日もとっぷりと暮れて、山寄りの町の方

中を、停車場まで歩いて、それから汽車に乗って、軽井沢に来たが、ここでも軽便を待つのがもどかしく、勝手知った道な

も髭をあたらずにいたが、或る日、ぶらりと軽井沢まで汽車に乗って理髪店に行った。軽井沢の町だって、いまは大抵の

日、ぶらりと軽井沢まで汽車に乗って理髪店に行った。軽井沢の町だって、いまは大抵の店は何処かへ店ごとそっくり荷送さ

メルの罐が店ざらしになっているのは、さすがに軽井沢らしい。郵便局の横町にある理髪店に飛び込んで髭をあたって貰う。南を向い

たかが浅間山の麓で、いくぶん徳川時代の古駅の俤をそのまま止めているというよりほか

浅間山だけがすっかり雪雲に掩われ、その奥で一人で荒れているらしく、この山麓の

しょんぼりとしている。二人でその傍に佇んで、しばらく浅間山の方を眺めていると不意に思いがけなく私達の頭上を、一羽の青味を

いたが、私の意を伝えると、きのう主人夫婦も横浜から来たばかりで、何でも、もうクリスマスには大ぜいな客があるよう

になったら送ってくれと云って頼んで置いた空気銃を東京からわざわざ持って来てくれた。

英夫君に東京へお土産にしたまえと勧めたが、帰るのはもう一日延ばして、