浅間山 八ヶ岳

いるらしい。きのうなどは手に取るように見えていた浅間山も、きょうはすっかり雪雲に掩われ、その奥でさかんに荒れていると見え、

一列に続いている村を通り抜けた後、それが見えない八ヶ岳の尾根までそのまま果てしなく拡がっているかと思える凸凹の多い傾斜地へさしかかった

八ヶ岳の大きなのびのびとした代赭色の裾野が漸くその勾配を弛めようとするところに

た。いつになくくっきりと赭ちゃけた山肌を見せている八ヶ岳などを私が指して示しても、父はそれにはちょっと目を上げるきり

た。大きな沢を隔てながら、向うの森を越して、八ヶ岳の山麓一帯が私の目の前に果てしなく展開していたが、その

を何んということはなしに一まわりした後、八ヶ岳の山麓一帯に拡がっている落葉松林の縁を、もうそろそろ病人がもじもじしながら

た。私がその空虚な林を出はずれた頃には、八ヶ岳の山頂を離れたばかりの日が、南から西にかけて立ち並んでいる山々

私達はその月末に八ヶ岳山麓のサナトリウムに行くための準備を