鴎外漁史とは誰ぞ / 森鴎外

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地名一覧

博文館

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が如くである。新聞紙の伝うる所に依れば、先ず博文館の太陽が中天に君臨して、樗牛が海内文学の柄を把って居る。

九州

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主筆猪股為治君は予が親戚の郷人である。予が九州に来てから、主筆はわざわざ我旅寓を訪われたので、予は共

ばならぬことになったので、乃ち我をして九州の富人たらしめばという一篇を草して贈った。その時新聞社の一

あろう。予の居る所の地は、縦令予が同情を九州に寄することがいかに深からんも、西僻の陬邑には違あるまい。

福岡

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、予の思想の圏外に今の文壇は立っている。福岡日日新聞が予に文壇の評を書けと曰うのは、我筆舌に課する

久しく鴎外漁史という文字を署したことがなくて、福岡日日新聞社員にこれを拈出せられて一驚を喫したのもこれがため

福岡日日新聞の主筆猪股為治君は予が親戚の郷人である。予が九州

東京

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下りて予を訪うてくれる。中にはまた酔興にも東京から来て、ここに泊まって居て共に学ぶものさえある。我官僚

幽霊は怨めしいと云って出るものには極まって居る。もし東京に残って居る鴎外の昔の敵がこの文を読んだなら、彼等

て、同時に出た博文館の太陽以下の諸雑誌、東京の諸新聞を見たならば、鴎外と云う名に幾条の箭が

始で、所謂鴎外漁史はここに生れた。それから東京の新聞雑誌が、彼も此も予を延いて語らしめた。予は