江戸 大阪 秋田 京都

貫徹した。桂屋太郎兵衞の刑の執行は、「江戸へ伺中日延」と云ふことになつた。これは取調のあつた翌日、

元文三年十一月二十三日の事である。大阪で、船乘業桂屋太郎兵衞と云ふものを、木津川口で三日間曝し

云ふ男を乘せて、運送の業を營んでゐる。大阪では此太郎兵衞のやうな男を居船頭と云つてゐた。居

。新七は殘つた米を賣つて金にして、大阪へ持つて歸つた。

米主は大阪へ出て訴へた。新七は逃走した。そこで太郎兵衞が入牢

西町奉行の佐佐は、兩奉行の中の新參で、大阪に來てから、まだ一年立つてゐない。役向の事は總て同役

に付、太郎兵衞事、死罪御赦免被仰出、大阪北、南組、天滿の三口御構の上追放」と云ふことになつた。

元文元年の秋、新七の船は、出羽國秋田から米を積んで出帆した。其船が不幸にも航海中に風波

すると、秋田の米主の方では、難船の知らせを得た後に、殘り荷

達せられた。次いで元文四年三月二日に、「京都に於いて大嘗會御執行相成候てより日限も不相立儀に