右門捕物帖 08 卍のいれずみ / 佐々木味津三
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今でこそ道灌山かいわいは市内のうちになっておりますが、当時はむろんわびしい武蔵ガ原
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、ありがてえや、まだ夏場の旅でちっと暑くるしいが、久しぶりに江戸を離れるんだから、わるい気持ちじゃねえや」
「知人も江戸にはござらぬか」
て破牢を企て、どこでどうかぎつけたものか、てまえが江戸に潜んでいることを聞きつけまして討っ手に向かったと知りましたので
た立て札によって、いずこにいるか、たしかにまだこの江戸の中にてまえをねらって潜んでいるはずの、残る三人の卍組刺客
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「じゃなんですかい、だんなはあっしどもが八丁堀の人間じゃねえとおっしゃるんですかい」
「八丁堀へつれてきなよ」
しかし、八丁堀へ引き揚げてしまうと、右門は今までのむだぼねに対する落胆と疲労とがいち
たが、そのままなにごともなかったような面持ちで、さっさと八丁堀へ引き揚げてしまいました。
といたしおった。このうえ白を黒と申しても、八丁堀にむっつり右門といわるる拙者の目が光っているかぎり、偽りは申させぬ
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「ああ、知ってるよ。長崎のお奉行から預かり中の科人だとかいってたっけが、そいつが
た。その四人のうちのひとりのあれなる源内が、長崎表からのお達しでこちらのだんなにご用弁となり、運よくという
ても裏切り者のてまえに天誅を加えねばと、一度長崎表でご用弁となったにかかわらず、仲間のうちの四人が決死隊
おいた身にかかわらず、つい仲間の者にそむいて、長崎奉行に密告したのでござります。それも、密告すればお奉行さま
死をとげしめた破牢罪人の源内などとともに、長崎表に根城を構えて、遠くは呂宋、天竺あたりまでへもご法度の密貿易
「でも、てまえの密貿易の科は、すでに長崎お奉行さまからご赦免になっているではござりませぬか!」
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ゆっくりお湯を沸かして、玉露のとろりとしたやつで奈良茶づけとはどんなものだい」
あったはずだから、そいつを焼きなよ。それから、奈良づけのいいところをふんだんに出してな。そっちの南部のお鉄でゆっくり
もうおおはしゃぎで、ふうふうとひとりで暑がりながら、右門のいわゆる奈良茶づけのしたくをととのえていましたが、かくてじゅうぶんに満腹するほどとって
こっち、また少し気が変のようじゃござんせんか。奈良づけの粕にまだ酔ってらっしゃるんですかい」
「あきれちまうな、きのうくさやの干物で奈良づけをたべるまでは、とても調子のいいだんなでしたが、あれからこっち、
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ほど目はきかねえや、あそこの係りの非人どもは、日本橋のさらし場にいるはずだから、じゃ、ひとっ走り行ってきますからね
「なあにね、日本橋のたもとに立っていたやつを、来がけにちらりと見たんです
「だから、おめえは少し正直すぎるんだよ。日本橋へ立て札を掲げるほどの人殺しがあって、お番所へ殺された身内の
と、まだそばにころがしたままであるさきほどの、伝六が日本橋から引き抜いてきた、あの立て札の文字とを見比べていたようでした
が、中仙道へ突っ走ったやつが、いつのまにこいつを日本橋へもってこられるんだい」
たによって、不審がわいたのじゃ。それも、日本橋にさらした立て札と手紙とは別々に、どちらか妻女にでも代筆さ
ござります。そうして、上のお目をかすめ、あの日本橋へかかげた立て札によって、いずこにいるか、たしかにまだこの江戸の
「この五枚を、日本橋とか浅草といったような、人出の個所へすぐさまお立てなすって、
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なにもまだ勝負に負けたわけじゃねえんだからな。品川辺へでも夕づりに出かけようよ。ざらにつれるさかなだから、みんな小バカ
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「この五枚を、日本橋とか浅草といったような、人出の個所へすぐさまお立てなすって、夜この時刻