右門捕物帖 26 七七の橙 / 佐々木味津三

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地名一覧

湯島

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にもぽつんと置いてあるというんだ。それからまた湯島の下のがけっぱなにもね、その先の水戸さまのお屋敷めえにも

須田町の町のまんなかにぽつりと置いてあるんですよ。湯島の下にもね。それから水戸さまのお屋敷前の濠ばたにも、

景気というものがあるんだ。はじめっから日本橋に須田町に湯島の下に水戸屋敷前と、それから牛込、四ツ谷、土橋御門の七所に

「まさしく湯島のほうへ向いてましたよ」

「湯島のやつは?」

富士山

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を、ちくしょうめ、何を勘ちげえしたか、品川から富士山のほうへ向いていやがるんですよ」

牛込

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日本橋に須田町に湯島の下に水戸屋敷前と、それから牛込、四ツ谷、土橋御門の七所に七つのから駕籠がござえますといったん

「牛込ご門のほうです」

第一にまず四ツ谷永住町の太田五斗兵衛、つづいては牛込の小林玄竜、それから下谷竹町の三ノ瀬熊右衛門と、たった三人しきゃい

江戸

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よ! だから、ついくやしくなって、けさ早くふらふらと江戸見物にいったんですよ」

ね、江戸っ子のあっしともあろう者が、なんのために江戸見物に出かけたか、それをいま話しているんですよ。だんなを前に

いってるんだ。いいえ、なにね、まず景気を見るなら江戸は日本橋宿初め、五十三次も日本橋がふり出しだから景気もまたあそこがよかろうと

、伸びたうどんみてえじゃねえか。近ごろそんなつらは、あんまり江戸ではやらねえぜ。え! おい、大将、まさかに、おまえさん、おいら

「やかましいやつだな。広い江戸にも武芸者はたくさんあるが、槍や太刀と違って含み針なぞに堪能な

、寺帳ぐれえをご存じなくてどうするんかい! 江戸に住まって江戸の人間になろうとするにゃ、ご藩士ご家中お大名仕え

をご存じなくてどうするんかい! 江戸に住まって江戸の人間になろうとするにゃ、ご藩士ご家中お大名仕えの者はいざ

がらりと江戸まえの伝法に変わると、シュッシュッと一本独鈷をしごきながら、はればれとして

八丁堀

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とかいう野郎でね。ねぐらがまた大笑いなことに、八丁堀とは目と鼻の日本橋馬喰町の大根河岸だとぬかしゃがるんだ。そこへ行きゃ

ながら、さっさと引き揚げていったところは、いわずと知れた八丁堀のお組屋敷でした。

水戸

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てあるんですよ。湯島の下にもね。それから水戸さまのお屋敷前の濠ばたにも、気味わるくぽつりと置いてあるん

からまた湯島の下のがけっぱなにもね、その先の水戸さまのお屋敷めえにもぽつねんと置き忘れてあるというんでね。

があるんだ。はじめっから日本橋に須田町に湯島の下に水戸屋敷前と、それから牛込、四ツ谷、土橋御門の七所に七つの

「水戸さまのお屋敷のほうに向いてやしたよ」

「水戸家の前の駕籠は?」

下谷

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の太田五斗兵衛、つづいては牛込の小林玄竜、それから下谷竹町の三ノ瀬熊右衛門と、たった三人しきゃいねえんだよ。くやしい

日本橋

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、まず景気を見るなら江戸は日本橋宿初め、五十三次も日本橋がふり出しだから景気もまたあそこがよかろうと思って、のこのこいってみるてえ

んだ。いいえ、なにね、まず景気を見るなら江戸は日本橋宿初め、五十三次も日本橋がふり出しだから景気もまたあそこがよかろうと思っ

「つがもねえ。ご繁盛第一の日本橋なんだもの、から駕籠の一つや二つ忘れてあったって、

、それもよく考えてみりゃお城のまわりなんだ。日本橋から土橋までぐるりと大きく回って、なぞなぞみてえに置いてあるんだからね

。物には景気というものがあるんだ。はじめっから日本橋に須田町に湯島の下に水戸屋敷前と、それから牛込、四ツ谷、土橋

「とんきょうな返事をするなよ。日本橋から始まってるか、土橋から始まっているか知らねえが、七つのその

、思い出しました。まさに判然と、いま思い出しましたよ。日本橋の駕籠はたしかに須田町のほうへ向いてましたぜ」

「そいつが気に入らねえんだ。ついでのことに日本橋のほうへ向いてりゃいいものを、ちくしょうめ、何を勘ちげえしたか

ように土橋のほうへ向いているとすると、ふり出しは日本橋、上がりはすなわち土橋ご門と決まったよ。正月そうそう、どうやらおつりき

ていった方角がまたじつに右門流なのです。当然日本橋から先に探って須田町湯島下と、七つの捨て駕籠を順々に追い

迷ってきたか、出どころの見当をつけるにしても日本橋へ行くのが事の先なんですよ。――ね! ちょっと!

て、こんなおかしなめに出会ったのははじめてなんだ。日本橋から須田町まで最初に運んでいったのは、このひとつなわにくくされ

品川

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いいものを、ちくしょうめ、何を勘ちげえしたか、品川から富士山のほうへ向いていやがるんですよ」

みたところでしようがねえんだ。から駕籠がしょんぼりと品川のほうへ向いているきりで、人ひとり、人足一匹いるわけじゃねえ

指さした町の向こうをみると、いかさま品川の方向をのぞんでかきすえてある駕籠のそばに、いとも不審な風体の

目黒

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みじんわたしの心くんではくださりませぬゆえ、つい思いあまって目黒のさる行者に苦しい胸をうちあけ、恋の遂げられますようななんぞよいくふう