旗本退屈男 04 第四話 京へ上った退屈男 / 佐々木味津三

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地名一覧

博多

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て、白柄細身をずっしり長く落して差しながら、茶献上の博多は旗本結び、曲輪手前の女鹿坂にさしかかったのは、丁度頃の夕まぐれ

寛永寺

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神明裏と湯島の天神下と、一方は増上寺、一方は寛永寺と、揃いも揃って女人禁制のお寺近くにあるというのに、京

八ツ橋

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、面白い。面白い! いや、面白いぞ。――のう、八ツ橋。京も存外に面白いところじゃな」

湯島

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――江戸の陰間茶屋と言えば、芝の神明裏と湯島の天神下と、一方は増上寺、一方は寛永寺と、揃いも揃って女人

増上寺

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言えば、芝の神明裏と湯島の天神下と、一方は増上寺、一方は寛永寺と、揃いも揃って女人禁制のお寺近くにあると

江戸

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場から足のむくまま気の向くままの旅を思い立ち、江戸の町の闇から闇を縫いながら、いずこへともなく飄然と姿を消し

いくらか手伝って、ふと思いついたのが島原見物でした。江戸にいた頃は、雪が降ろうと風が吹こうと、ひと夜とて吉原ぞめき

いるのは、元禄の京に名高い陰間茶屋です。――江戸の陰間茶屋と言えば、芝の神明裏と湯島の天神下と、一方は増上

江戸に生れて三十四年、伝法に育って、鉄火に身を持ち崩してはいるが、

、三十二三のぞろりとした男です。――江戸ならば先ず、町の兄哥の鳶頭とでも言うところに違いない。

結んだ羽織の紐をひねりひねり近づいて来ると、恐るべき江戸名物の退屈男とも知らず、横柄に挑みかかりました。

「のう、どうじゃ。只の傷ではあるまい。江戸では少しばかり人にも知られた傷じゃ。これにても抜いて来るか

みやびやかにのどかでした。それゆえにこそまた、退屈男の江戸前ぶりは、威風あたりを払って圧倒的に爽かでした。いや、威風ばかりで

ッ腑が資本の筈じゃ。金も必要とあらば、江戸より千二百石、船で運んでとらすわ。それにても足りずば、将軍家に

、なかなかあでやかじゃ喃。――女! 早う伝えい。江戸の男が、気ッ腑を資本に遊びに参ったと、早う八ツ橋に伝え

「江戸の客仁、お騒がせ仕ったな。れッきとした二本差

な。千石だろうと二千石だろうと、お気のままに江戸から取りよせて、たんと遊ばっしゃい」

「どうでえどうでえ。ちッとばかり江戸の先生もおどろいたろ。お国歌舞伎の芝居とは少々筋書が違ってるんだ

ざんす。話しましょう、話しましょう。代って話しましょうゆえに、江戸のぬしはんもようきいておくれやす。十日程前でござんした。こちら

た弥太一の血まみれ姿を黙然と見守りながら、わが好もしき江戸名物の旗本退屈男はじりじりと傍らの白柄細身をにぎりしめました。事実とし

だったら、あれで行くのです。あれで行くのです。江戸御免なるあの月ノ輪型の向う疵と、諸羽流正眼崩しのあのすさまじい剣脈

禁中ヨリノ御使イ、並ビニ江戸

賄賂止めの禁札があるな。よいよい、禁札破り致すのも江戸への土産になって面白かろうぞ。駕籠屋! 帰りのお客は珠数屋のお

「江戸お公儀からの早駕籠でごぜえます」

「しかと左様かッ。たしかに江戸お公儀からの急飛脚でござるか」

。何より見事な証拠であろう。この向う傷さえあらば、江戸一円いずこへ参ろうとて、いちいち直参旗本早乙女主水之介とわが名を名乗るに及ばぬ

島原

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ところなりとは、おやじ、大きいぞ! 大きいぞ! 島原にもなかなか風流な奴がいるわい。察するに貴様偽唖じゃな。わはは

「ちと気味のわるい土産じゃが、早々にこれを島原の八ツ橋太夫に送り届けい。弥太一へ無念の晴れる迄とくと見せてつかわせと申し

長崎

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飛んだ災難にかかったものだが、十年程前に長崎へ商売ものの天竺珠数を仕入れにいって、ふとあの変な観音像を