右門捕物帖 31 毒を抱く女 / 佐々木味津三
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、名人主従ははや握りのむすびで腹をこしらえて、いよいよ箱根八里の険所にさしかかりました。のぼり、くだり、合わせて八里とあるが
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町走って程ガ谷の宿。二里九町走って戸塚。さらに二里飛ばして藤沢。よつや、平塚と走りつけてこの間が
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――名からしてあんまり気味のいい名まえではない。半蔵門から左へつづいたあの一帯が、今もその名の伝わる牛ガ淵ですが
た者ばかり。その四人が定めどおり馬首をそろえて、半蔵門から隠し井の淵までさしかかってくると、
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いらあね。このご尊像があるからには、宗旨は高野山だ。おまえなぞ知るめえが、高野はこの世のあの世、ひと足お山の寺領へ
台所のお旨をうけ、要急のご祈願あって、高野山へお代参に参る途中じゃ、とこのように申し、御台さまのお手形所持
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ます。てまえはお鳥係り。烏は唐の金鶏鳥、四国土佐のおながどり、あるはまためじろ、ほおじろ、うぐいすならば鳴き音が千両、つる
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次は川崎、これが二里半。ここで宿継ぎの駕籠を替えて、次の宿、
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半。ここで宿継ぎの駕籠を替えて、次の宿、神奈川へ同じく二里半、お昼少しまえでした。
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「よしきた。ご開門を願います。江戸よりの早駕籠でござります。この木戸、おあけ願いまする!」
「われら、ちと不審あって江戸より追っかけてまいったもの。もとより、お改めのうえお通しでござろうが、人相風体
「江戸より急ぎのご宝物、ご通行とお触れくださらばけっこうでござる」
、神妙にしろと大みえをきるなんてえものは、まったく江戸のあの娘たちに見せてえもんですよ」
軍鶏駕籠に投げ入れられて、愁然としながら、また道を江戸へ送られていく行徳助宗の姿を見送りつつ、そっとささやきました。
罪は憎いが、心さま思えばふびんな最期じゃ。江戸へ行ったら、せめても娘へのたむけに諸事神妙にいたせよ」
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ちぬことをされたわい。密々の早馬、すぐに八丁堀へ飛ばしてのう、だれか知らぬが火急に呼び招いた様子でござるぞ」
「ほほう。なるほど、さすがはお組頭じゃ。八丁堀なら、おおかた――」
様が仰せでのう。手にあまる変事出来の節は、八丁堀に一人心きいた者がおるゆえ、忘れずに、とご諚ござったゆえ
あろうが、人を殺した女をのめのめ見のがしておいたら、八丁堀の恥になるんだからね。どんどんと乗りこんでめえりましょうよ」
名ざしで御用とは、近ごろ冥加のいたりでござりやす。八丁堀ご名物むっつり右門とおっしゃりますそうなが、御用の筋はなんでおじゃり
からには、お茶の子さいさいでござりやす。あなたさまはいま八丁堀でお名うての知恵巧者、むっつり右門が乗りこんだからには、ただでは済み
、お手数でござった。伝六! 用はすんだ。八丁堀へ帰ってひと寝入りしようぜ」
不思議なのは右門です。まさかと思ったのに、八丁堀へほんとうに引き揚げていくと、そのままふた品のことも、下手人詮議のこと
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に透かしがござります。紅いろ透かし骨の扇子といえば、日本橋石町たらちね屋が自慢の品物、たしか大奥にも出入り御用を仰せつかっているよう
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かけ声もろとも、ひた、ひた、ひたとまっしぐらに品川めざして駆けだしました。
その品川を駆けぬけたのが朝の五ツ。