隅田 博多 小石川 墨田 小堀 江戸 本所 両国 深川 向島 上野 浅草 蔵前 両国橋 綾瀬川 新大橋 永代橋

回ってみると、中秋九日の夕月がちょうど上って、隅田の川は足もとにきらめく月光をあびながら、その川の上へぬっと枝葉を

小屋ではない。じつに、この横堀こそは、秋の隅田に名物のあの土左衛門舟が艫をとめる舫い堀なのです。川から拾いあげた

「黒羽二重の着流しで、一本独鈷の博多でしたよ」

「法眼さまがおなくなりになりましてから二年このかた、小石川の伝通院裏にご隠宅を構えて、若党ひとりを相手に、ご閑静な

三つがふえる。もちろん、心中はあの心中、川目付は墨田の大川の川見張り、やはり死によいためにか、十組みのうち八組みまで

艘と、特志の土左舟はつごうその三艘でした。墨田といえば名にしおう水の里です。水から水へつづく秋のその向島

不思議な船が、大川岸に四艘、小堀の中に三艘、人待ち顔につないであるのです。

蕭々落莫として、江戸はまったくもう秋でした。

がふけそめて、上野、両国、向島、だんだんと秋が江戸にひろがると、心中、川目付、土左衛門舟、三題ばなしのように決まって

に、但馬屋身内で差し立てているのが一艘。同じく江戸にひびいた口入れ稼業の加賀芳一家で見まわらしているのが一艘と、

菊が大小十はち、左右にずらりと居流れた顔がまた江戸の治安を預かりつかさどる町方警吏だけに、いかめしくもものものしいのです。

決まってらあ。人相も風体もつかまえどころのねえやつらを目あてに江戸じゅう捜してみたって、目鼻はつかねえんだ。詮議の手を変えるんだ

一石橋の呉服後藤だよ。この絹糸をようみろい。江戸にかずかず名代はあるが、呉服後藤に碁は本因坊、五丁町には御所

かもしれねえが、床屋と質屋と銭湯と、こいつア江戸のうわさのはきだめなんだ。こないだ一張羅を曲げにいったとき、番頭がぬかし

「江戸の女をもう二、三百人たぶらかそうと思ったが、何もかも洗って

繁盛すると、妙なものまでがはやりだすもんです。近ごろ本所のお蔵前にお富士教ってえのができて、たいそうもなく繁盛すると

んで、今に忘れず覚えていたんですよ。本所のお蔵前といや、ここよりほかにねえんだ。まさしくこれがそのお富士

濠ばたの柳からまずその秋がふけそめて、上野、両国、向島、だんだんと秋が江戸にひろがると、心中、川目付、土左衛門舟、三

句にゃ暮れの六ツから、北町南町両ご番所の者残らずが両国の川増でご苦労ふるまいの無礼講と、昔から相場が決まってるんだ。まごま

てみべえ、たらふくうなぎも拝んでやろうと、浅草から両国へひと回りしてみたら、きんちゃくの中がぽうとなりやがって、いつのまに

三張りともに、深川、船宿、於加田、と抜き字の見えるなまめいたちょうちんが、無言の

からしてが、すでにふつりあいなのです。ましてや、深川の船宿といえば、男女忍びの出会いの茶屋を看板の穏やかならぬ料亭

乗ると同時に、目ざしたのはその深川でした。

七橋、八橋、七堀、八堀と水の里の深川が近づくにしたがい、大川端はいつのまにかとっぷりと夕やみにとざされまし

の柳からまずその秋がふけそめて、上野、両国、向島、だんだんと秋が江戸にひろがると、心中、川目付、土左衛門舟、三

にしおう水の里です。水から水へつづく秋のその向島に、葦間を出たりはいったり、仏にたむけた香華のけむりを

濠ばたの柳からまずその秋がふけそめて、上野、両国、向島、だんだんと秋が江戸にひろがると、心中、川目付、

ころがしもやってみべえ、たらふくうなぎも拝んでやろうと、浅草から両国へひと回りしてみたら、きんちゃくの中がぽうとなりやがって

目ざしました。むろん、目ざすからには伝六のいるところも浅草だろうと思われたのに、あきれた男です。乗ったかと思うま

迎えによこしたとみえて、柳橋を渡り越えるとひた走りに浅草目ざしました。むろん、目ざすからには伝六のいるところも浅草だろうと思わ

は、目と鼻どころか、柳橋からはひとまたぎのお蔵前でした。

たちまちその場から名人十八番の右門流が始まりました。蔵前を左へ天王町から瓦町へ出て、そこの町かどのお料理仕出し魚辰

今に忘れず覚えていたんですよ。本所のお蔵前といや、ここよりほかにねえんだ。まさしくこれがそのお富士教に

、妙なものまでがはやりだすもんです。近ごろ本所のお蔵前にお富士教ってえのができて、たいそうもなく繁盛するという話だ

ぶらさげると、やっていったところがまた不思議です。柳橋から両国橋を渡って、大川沿いに土手を左へ曲がりながら、そこの回向院裏

永代橋をくぐって新大橋、新大橋をくぐって両国橋、やがてさしかかってきたのは、なぞのあの五人をつるしてあった

て川上を回ろうというんで、幡随院舟はずっと上の綾瀬川、加賀芳舟は東橋、わっちども但馬屋舟はこのあたりにしようとここ

永代橋をくぐって新大橋、新大橋をくぐって両国橋、やがてさしかかってきたのは、なぞのあの五人

永代橋をくぐって新大橋、新大橋をくぐって両国橋、やがてさしかかってきたのは、なぞの

永代橋をくぐって新大橋、新大橋をくぐって両国橋、やがてさしかかってきた