右門捕物帖 38 やまがら美人影絵 / 佐々木味津三
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江戸
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まするが、武道はいたって盛ん、兄も志をいだいてこの江戸へ参り、伊東一刀流の流れをくんだ貫心一刀流を編み出し、にしきを飾って
ただの者ではあるまい。場所も小田原近く、いずれは江戸にひそんでおろうと存じまして、はるばる出府したのでござりまするが、そう
の兄と弟であったとかいうことでござります。江戸の生まれで、由緒はなんでござりますやら、兄は御家人くずれ、弟は小
奈良
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を、伝六は左へ、名人は右へ、――お奈良茶漬宇治料理とかいたのれんが、吸いこむように右門の姿をかくしまし
浅草
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「はッ。心得ました。――浅草宗安寺門前、岩吉店やまがら使いお駒、お呼び出しでござるぞ。そうそうこれ
三番組鳶頭の音蔵ごろし、下手人はいま呼びたてた同じ浅草奥山の小屋芸人やまがら使いのお駒でした。――という見込みと嫌疑の
罪は浅草三番組鳶頭の音蔵ごろし、下手人はいま呼びたてた同じ浅草奥山の小屋
のとおりでござる。音蔵があやめられていた場所は、浅草北松山町の火の見やぐら下じゃ。時刻は宵五ツどき。お駒の住まい岩吉店
止まった伝六を従えて、ゆさゆさと、おうようにゆれながら、浅草宗安寺門前の北松山町を目ざして急ぎました。
ただの仏壇ではない。たかが浅草の芸人ふぜいには珍しくりっぱな、珍しく大きな、へやにも座敷にもふ