右門捕物帖 06 なぞの八卦見 / 佐々木味津三
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かくて、日は愛宕の西に去って、暮るれば大江戸は宵の五つ――。五つといえば、昔ながらに江戸の町
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、さらに開運のきざしをすら見せなかったので、新たに八幡宮へ三七二十一日のご立願を掛けようとお参りにやって行くと、はからずもその
のびっくりぎょうてんしたのはむろんのことで、今はもう八幡宮へご立願どころではなくなったものでしたから、うろたえて浪宅に帰りつき、厳重
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結城縮を素膚へ涼しげにひっかけながら、茶無地の渋い博多を伊達に結んで、蝋色の鞘の細いやつをややおとしめにたばさみながら、りゅうと
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からおりたったところは、山の見せ物小屋とは反対に、雷門のまんまえでありました。それも、お参りをしようとするのではなくて
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お由をも従えながら飛ぶように駆けつけさせたところは、神田明神の境内でありました。そこで同じように売卜者を見つけて、また三
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疑問のあだ者は、右門の目ききしたとおり、いま江戸で売り出しのくし巻きお由であったとみえて、そのわざの早いこと、
へ見ながめていましたが、さすがは彼女もそれと江戸に名を売ったかせぎ人だけのことはあってか、青ざめた顔に
きょうだけの捨て石じゃ獲物がかからねえかもしれないよ。江戸にいる八卦見の数は、あれっぽちじゃねえんだからな」
の五つ――。五つといえば、昔ながらに江戸の町はちょうど夕涼みのさかりです。虫かごにはまだ少し早いが、そのかわり軒端
必要があるというところから、君侯に讒を構えてまんまと江戸に追いたて、しこうしてのちに権力と金力をもってあさはかな淫奔の妻女
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かくて、日は愛宕の西に去って、暮るれば大江戸は宵の五つ――。五つ
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、だんな。ちっとどうもおかしいじゃござんせんか。ゆんべ八丁堀のほうにやって来たあのちっこい小娘が、まただんなを名ざしてたずねてき
「ちくしょうめ。八丁堀にゃめくらしかいねえと思ってやがるな」
「さよう。そのために、この暑いさなかをわざわざ八丁堀から出張ったんですがね」
ふところへ敏捷にねじこませておくと、右門はさっさと駕籠を八丁堀へ帰させて、家へ上がるやお由の目をそばだてたのもかまわず
、そのためよくよく近よって見ないことには、かれらが八丁堀の者であることを見きわめることは、ちょっと困難なよいやみでした。
どろ吐きやがって――おれをだれと思ってるんだ。八丁堀のむっつり右門といや名ぐれえは聞いているだろうから、じたばたせずについて
「ご老体! 八丁堀の近藤右門でござる。お待ち受けしてござりました」
か。ふざけた年寄りを相手に不義いたずらをやりくさって、八丁堀に右門のいることを知らねえか――さ、伝六! じたばたしたら少々
どもただ恐れ入るよりほかはないので、今にして八丁堀にわがむっつり右門のあったことを知ったもののごとくに、青ざめていった
と、例のおとし差しで足を早めたのは、わが八丁堀の住まいです。いうまでもなく、まだそこには処分すべきいたいけな小娘お静
もんです。あっしの心意気に少しでも見どころがあったら、八丁堀に右門のような者もいたことの記念に、もうつまらない小かせぎは
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、ことごとにご幣をかつぎ、浪々の身となって深川に住むようになったことも、男は占い者のことばのうちに、
怒りにふれて浪々の身となり、もう半年ほどまえから深川八幡裏に継母と三人暮らしのわび住まいをしていたのだそうです
ひょうきん者だな。さ! 深川だ、深川だ! 深川へいって、あの小娘のおふくろを洗ってくるんだ!」
「あいかわらずのひょうきん者だな。さ! 深川だ、深川だ! 深川へいって、あの小娘のおふくろを洗ってくるんだ!
「あいかわらずのひょうきん者だな。さ! 深川だ、深川だ! 深川へいって、あの小娘のおふくろを洗ってくる
六番てがらの端緒につくこととなり、今は伝六が深川からの報告を待つばかりとあいなりました。
の早駕籠かなんかで勢いよく駆け帰ってきたものは、深川へ行った伝六でありました。
「でも、深川のまま母は、あいつじゃござんせんぜ」
を施させておくと、さらに駆けつけさせたところは問題の深川八幡で、その境内に居合わしたふたりの風体よろしくない八卦見たちにも同様
――いつぞやは深川八幡境内にてご難役お頼み申し深謝このところにそうろう。おかげにて、あれ
いりゃ、こんなまわりくどい捨て石なんか打たなくたっていいんだが、ただ深川の八幡にいた八卦見といっただけじゃ、どうせあいつらは渡り者な
もなわ張りはあるんだからね。思うに、あっしゃ深川の境内に今もまだいるんじゃねえかという気がするんですが
たから、ひとみをこらしてよく人体を見定めると、まさに昼間深川の境内で最後におまじないをやっておいたそのひとりです。
「きさま、きのう深川のまま母を洗ってきたとき、このごろじゅう毎晩五つから四つの間
四つといや、ちょうど今がその時刻だから、大急ぎに深川へ駕籠だ、駕籠だ!」
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「じゃ、あした久しぶりに、浅草へでもべっぴんの顔見に出かけるかな」
、出ればすぐと駕籠で、しかも目ざしたところはほんとうに浅草だったのです。
けれども、浅草を目ざしたことは目ざしましたが、右門の駕籠からおりたったところは、
ご番所でやつのうわさが出ましたっけが、この節浅草を荒らしまわる女すりじゃござんせんかい」
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た。同じ美男は美男でも、ぐにゃぐにゃとした当節の銀座っぺいとはできが違いますので、こうなるとまったくその男ぶりの
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手前――その手前までさしかかったところで、はしなくも向こうから日本橋あたりのお店者らしい若い男が、お参りをすまして帰ってきたのに
の品なぞさし上げたくそうろうあいだ、こよい五つ半までに日本橋たもとへお越しくだされたく、右要用まで。いつぞやお頼みの者より
夕涼み、といったように見せかけながら、指定しておいた日本橋の橋たもとにたどりつくと、はたして、むくどりや来たるとばかり、目を八方
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お由をも従えながら飛ぶように駆けつけさせたところは、神田明神の境内でありました。そこで同じように売卜者を見つけて、
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そうで、のみならず、そのままやみの中をいっさんに永代橋に向かって駆けつけていくと、あれよあれよと追いすがった妻女の手を
、もよりの自身番でもなく、吟味にはいたって縁の遠い永代橋の橋の上でしたから、まことに意外の中の意外というべきで
ときみずから右門流の吟味方法と称しながら、その六十侍を永代橋からけおとしたゆえんのものは、早くもそれとにらんだので、老職自身