道灌山 湯島 江戸 八丁堀 湯島天神 上野 浅草 神田

たもので、当時の名所というのがまず第一に道灌山、つづいては上野山内、それから少しあだっぽいところになると花魁月見とし

者のおしゃべり屋伝六ごときがさつ者にいたっては、道灌山に名月がさえようと、座頭の美しい新妻が目のない夫のためにわが目

にしみましたゆえ、あれからすっかり足を洗いまして、湯島の天神下で、これとこれの看板をあげているんでございますよ」

も気がききませんから、ご老体をお送りかたがた、湯島のお屋敷で待っていておくんなさいな。一、二刻たちましたら

本独鈷の落とし差しを軽く素足の雪駄に運ばせると、ただちに湯島なる質屋三ツ藤へ行き向かいました。――秋たちこめた江戸は、松に栄え

ておくと、自身は珍しやおひろいで、例のほろ苦い江戸まえの男ぶりを覆面ずきんの間からのぞかせながら、一本独鈷の落とし差しを

湯島なる質屋三ツ藤へ行き向かいました。――秋たちこめた江戸は、松に栄えた濠ばたあたり、柳並み木の行き行く道に、わびし

てまえの志でござります。ご高家のお殿さまが、八丁堀からこっそり帰ったと人目にかかりましては世間へのはばかりもござりましょうゆえ、

「ほほう、歯の根が合わぬようじゃな。八丁堀の右門じゃ。こわがらいでもよい。主人はいるか」

「湯島天神下の三ツ藤というのでござるわ」

名所というのがまず第一に道灌山、つづいては上野山内、それから少しあだっぽいところになると花魁月見として今も語りぐさ

存じますが、第六番てがらの孝女お静の事件に、浅草でその現場を押え、悔悛の情じゅうぶんと見破ったところから、お手当に

「表神田でござります」