右門捕物帖 25 卒塔婆を祭った米びつ / 佐々木味津三
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人もの捨て子をするとは、なにごとも日の本一を誇る江戸においても、まさに古今未曽有前代未聞のできごとだったからです。
それだけよけい評判も高まる道理。伝わり伝わって、捨て子のうわさが江戸のどこかに隠れている母親の耳にはいりましたら、よし一度は思いあまって
うすみっともねえつらしているんだ。そんな肥くせえつらで、江戸の女のそれもこんなべっぴんをものにしようったって、お門が違うぜ。ほんと
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ているんじゃねえんだ。見そこなっちゃいけねえぜ。本所の一つ目にゃ目が一つしかねえかもしれねえが、むっつりの右門
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「今宵こそまこと上首尾に御座候。千葉のいなかよりたんまりとやまぶき色をご用意のおだんな衆が三人ほど参り候
て、このいんちきばくちの勝ち抜き秘伝書をとっくり覚え込んでから、千葉のおしろうとだんなをむくどりにしようと出かけていったにちげえねえんだ。
のうわさをたよりにご相談に上がりましたら、近いうちに千葉のほうからお金持ちのおだんなさまが参るはずゆえ、そのおりいかさまころで
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鳶ノ巣山初陣を自慢の大久保彦左があとにも先にもたった一度詠んだという句に、
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「日本橋の大通りにあるじゃござんせんか、東海道五十三次はあそこからというあの橋
て笑えもしねえや。日本橋の大通りにある橋なら、日本橋じゃねえかよ」
たやつだな。あいそがつきて笑えもしねえや。日本橋の大通りにある橋なら、日本橋じゃねえかよ」
「ちげえねえ、ちげえねえ。その日本橋の人通りのはげしい橋のたもとにね、目をくるくるさせながら、この子
いっぱいに広がるように歩きながら、すいすいと風を切って、日本橋へ急いだ名人のあとを追いかけました。
いかさま橋のたもとはわいわいと文字どおり老若男女入り交じって、さすがの日本橋も身動きができないほどにいっぱいの人だかりでした。無理もない。一つ
いたしまして、大騒ぎをしておりましたところへ、いましがた日本橋に似たような捨て子があると知らしてくれた人がありましたゆえ
はなかろうかと存じましたのでな。いっそ思いきって、日本橋か浅草か、人通りのしげい町中へ子を捨ててみろと、入れ知恵し
一升というくれえのもんだが、目と鼻のその日本橋近くにこのあばら屋は、なんですかよ。おら、承知ができねえんだ
こんなあばら屋ってえものはねえですよ。もののたとえにも、日本橋といや土一升金一升というくれえのもんだが、目と鼻
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かと存じましたのでな。いっそ思いきって、日本橋か浅草か、人通りのしげい町中へ子を捨ててみろと、入れ知恵したの