壇ノ浦の鬼火 / 下村千秋
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壇ノ浦
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壇ノ浦の鬼火
とうとう源氏のためにほろぼされて、安徳天皇を奉じて、壇ノ浦のもくずときえてからというもの、この壇ノ浦いったいには、いろいろのふしぎな
奉じて、壇ノ浦のもくずときえてからというもの、この壇ノ浦いったいには、いろいろのふしぎなことがおこり、奇怪なものが、あらわれるように
それからまた、月のないくらい夜には、この壇ノ浦の浜辺や海の上に、数しれぬ鬼火、――めろめろとした青い
はこまるというので、みんなよって相談をして、壇ノ浦の近くの赤間ガ関(今の下関)に安徳天皇のみささぎと平家一門の
おききになり、今夜はぜひ、そのほうの、とくいの壇ノ浦の一曲をきいて、むかしをしのぼうとされている。されば、これより
「平家の物語――壇ノ浦を弾じてください。」
いならぶ人びとの前、そこで法師は昨夜とおなじように、壇ノ浦の物語をひきました。そうして、人びとは、またも泣き、むせび、
下関
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相談をして、壇ノ浦の近くの赤間ガ関(今の下関)に安徳天皇のみささぎと平家一門の墓をつくりました。それからそのそば