大阪 道ノ尾駅 エルサレム 阿蘇山 浦上 ローマ 佐世保 長崎市 長崎 大浦天主堂 京都 東京

目をうつ大きな活字――急行列車追突！　どこか？　大阪だ。現場の写真まで載っている。いやな記事だ。何も今日に限っ

だけだ。あと五分。汽車の響きはもう聞こえない。道ノ尾駅についたところだ。案外二人はあの汽車の窓から道ノ尾駅一帯の桜を、

イエズスの一行がエルサレムの宮の前に来かかると、そこに生まれつきの盲人が施しを乞うて座って

は戦争末期に建物を軍に接収され、修士たちは阿蘇山へ軟禁されていたため、敗戦後、建物を返され、修士も山

原子爆弾がはじけたとき、この浦上のカトリック信者一万のうち八千人が死んだ。ここには純心と常清の二

文久二年、ローマのペトロ大聖堂で、公式の日本二十六聖人の祝祭が行なわれ、毎年二月五

は二人だけで旅をさせようと考えた。あの汽車は佐世保行きで、とても混雑する。大人でさえも命がけだという。よく新聞にけが人

長崎市の東の端にカトリックの修道院がある。「聖母の騎士」の名をもつ

あった。ああ、第二次世界大戦の最後の日、長崎浦上の聖地に燃やされた大いなる燔祭よ！

長崎の大浦天主堂の前を過ぎ、南に向かって石だたみ道を上って行くと、

なるころ、神のお恵みによってこの貧しい修道院は、長崎から汽車で二時間かかる大村市の軍事施設の払い下げを受けて女学校を再建する

たら日本二十六聖人のひとり、慶長二年二月五日この長崎の西坂で殉教したお方だ。二十六聖人といっても、日本国内で

ひとりも途中で倒れず遅れず、とうとう二月五日に長崎へ着いたんだ。うちの横のその道をお昼すぎに通ったの

町を引きまわされ、八日に境の町を出て、長崎まで二百里あまり、雪路を歩いてくだった。ひとえ一枚に腰なわを

長崎の大浦天主堂の前を過ぎ、南に向かって石だたみ道を上って行くと、港の

一同は獄に入れられ、翌年一月三日京都一条の辻で耳を切り落とされ、京の町を引きまわされた。耳の

は母の同盟の小母さんが編んでくださった。ハンカチは東京の名のわからぬ姉さんから、ランドセルは富子姉ちゃんから、ノートは松山先生