撃剣興行 / 長塚節

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神戸

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て白方は金將の役である壯士が出た、神戸の得物は變つた、行司は説明を試みた、

かくの如くしてこの妙な武器と武器との仕合は神戸なにがしの勝つ所となつて白方は金將の役である壯士が出

しまつた、もうどうしても離れるのではない、神戸は相手に近寄つたかと思ふと腰に挾んだ木劍を拔いて

の麻繩のうらには錘のついたものである、神戸なにがしは、麻繩のさきの錘を目にも留まらぬやうに振り廻しつゝ

の壯者である、行司が「赤方銀將の役神戸なにがしと呼び上げると相手の神代鎌に對する得物は三尺位の樫の棒

が大きに受けるのに困難いたしましたのでありますが、神戸氏がその術を授かりましたものであります……

仕方なしに左に持つた木劍で敵の打撃を防ぎながら神戸はぐる/\と場中をめぐつて居るうちつひに狡猾なる相手は竹刀を

王將の役にまた竹刀を持つたのが出た、神戸の武器はまた變つた、即ち鎖鎌である、鎌のさきについた

と長々しい口上があつて立ち合に及ぶと神戸は割棒の片々を立て片々を斜に向けて構へたが先が動か

は一人もなかつた、棒振がすむと年寄役の老人と神戸との仕合になつた、老人といふのは七十二であるといふ觸れ

て最后の仕合に出たのは興行師の方では神戸なにがしで、とつ手のついた鍋蓋のやうなものを二つ持つて

の音と共に場内はひつそりとした、行司の神戸は紙に書いたのを見て兩方に別れて扣へて居る劍士

た後白革の胴をつけたまゝ上に羽織をかけた神戸なにがしが、軍扇となにやら書いた紙とを持つて出た拍子木の

東京

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位山岡鐵太郎門人」「鹿島神傳直心影流榊原建吉社中東京弘武會員」といふ長々しい肩書のついた田舍廻りの撃劍遣ひ