芋掘り / 長塚節

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地名一覧

筑波山

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對岸の松林が連つて見える。更に其上には筑波山が一脚を張つて他の一脚を上流まで延ばして聳えて居る。小春の

は只長閑なさまである。日は稍傾いた。忽然筑波山の絶頂から眩い光がきら/\と射して來た。毎日同一の時刻に

茶の木の花は白々と光を帶びて居る。筑波山は見る/\濃い紫に染まつて來た。秋の末の晩稻を刈る

秋の末の晩稻を刈る頃から夕日のさし加減で筑波山は形容し難い美しい紫を染め出す。百姓に聞いて見れば嘗てそんな筑波山は知らぬ

し難い美しい紫を染め出す。百姓に聞いて見れば嘗てそんな筑波山は知らぬといふ。知らぬといふのは尤ものことである。日が落ちて

赤城

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中で稻扱をする。仕事がどれでも愉快である。赤城の山に雪が積んで冬が來た。其時彼等二人の間に

松山

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といふのでやつとのこと納得をさせておすがを松山の家へ入れた。仙右衞門も近所の義理で澁々おすがを厄介し

其頃仙右衞門とは道一重向隣の綽名を松山といはれて居た家があつた。何か事情があつて家族を

おすがのもとへは兼次もいつか入りこんだ。さうして松山から買つた畑を讓つてもらつて自分の喰ふだけの働きをする

あの兼次が一件だがね。お前方の指圖で松山のうちへ入れたんだ相だがどうもあれが卵屋では心外

わしは決してうちへは寄せねえといつたんでがす。實は松山のうちへわしが夜は泊りに行き/\したんですが、毎晩