琥珀のパイプ / 甲賀三郎
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家でも犠牲を払って夜警を勤めているのに、福島と云う奴は怪しからん奴じゃ。あんな奴の家は焼き払って仕舞うがよい
その余沫を、いつも彼の嘲罵の的になっている福島と云う青木の家と丁度背中合せで、近頃新築した可成り大きい家
に至らずして消し止めたが、焼けたのは問題の福島の家であった。台所から発火したものらしく、台所と茶の間、女中
の留守番の夫婦と、その子供である事が判った。福島の一家は全部郷里の方へ避難して仕舞い、主人だけは残ってい
は云った。「表を廻れば少し遠くなりますから、福島の庭を脱けて私の裏口から入ろうとしますと、台所の天井から
五十近い紳士が這入って来た。これがこの家の主人福島であった。
いるのです」検事は厳として云った。今度は福島に向って、「火災保険につけてありますか」
「先刻の御話では」福島が云った。「青木さんは火事の時刻に私の宅に御出に
「やあ、福島さん、あなたは以前薬学をおやりになったそうで、結構な本を
失敬な事を云うな!」今まで黙って聞いて居た福島が怒号し出した。「何の証拠もないのに、全で保険金目的
訳です。福島さん」松本は青くなって一言も発しない福島を振り返り、「あなたはあなたが僅に数万円の金を詐取しようと
を充して置けばどうでしょう。当然硫酸は溢れる訳です。福島さん」松本は青くなって一言も発しない福島を振り返り、「あなたはあなた
福島は一耐りもなく恐れ入って仕舞った。
の言と符節を合す如くであった。しかし彼もまた福島の家に忍び込んだ理由については一言も口を開かなかった。
た。「ときにお聞きしたいと云うのは、あの福島の宅ですね、あれはいつ頃建てたもんですか」
福島の家が建ちました。そこで彼は出獄すると福島の宅へ目をつけ、機会を待っていましたが、遂に留守番に
、宝石を取り出す時機を失している中に、その土地に福島の家が建ちました。そこで彼は出獄すると福島の宅へ目
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今でもあの夜の光景を思い出すとゾットする。それは東京に大地震があって間もない頃であった。
は下るのは自明の理です。昨夜の二時頃は東京は正に低気圧の中心に入ったので、気象台の調べによれば、午後
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白状するが、私はこの渋谷町の高台から遙に下町の空に、炎々と漲ぎる白煙を見、足許
含んでいたのである。菓子折は当日午後二時頃渋谷道玄坂の青木堂と云う菓子屋で求めたもので、買った人間の風采は
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たい処のものを思い浮べながら、一足々々をしっかり踏んで銀座街の飾窓から飾窓へと歩いていたのである。
銀座街に於ける万引嫌疑者岩見がこの白昼強盗事件の関係者である事を
兇漢が岩見に変装していたのを御記憶でしょう。銀座事件でも矢張りこの岩見に変装した悪漢が活躍したのです。この
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て、途々「買わない買物」の事を考えながら、新橋を渡り玉木屋の角から右に曲って二丁許り行くと、とある横町
思い切ってその窓を離れた彼は、更に新橋の方へ歩みを進めて、今度は大きな時計店の前に佇んだ。
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、一騒ぎ騒ごうと思って、彼はそのまゝ電車に乗って品川に至り、某楼に登って、今朝方帰って来たのだと云う。
けれど、巡査の方では全然知らないと答えた。一方品川の某楼も取調べられたが、時間もすべての点も青年の云う通り
云う苦肉の方法を選んだのです。然しそれも岩見の品川行きと云う皮肉な行為で駄目になりました。尤もあとで考えれば、
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て、以前私方へ出入して居りました大工です。浅草の橋場の者ですが、弟子の二三人も置き、左利きの音吉と申し