源氏物語 54 蜻蛉 / 与謝野晶子 紫式部None
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宇治の山荘では浮舟の姫君の姿のなくなったことに驚き、いろいろと捜し求める
おいたましいところの見えるのももったいなくて時方はその夕方から宇治へ出かけた。この人たちが急いで行けば早く行き着くこともできるのであっ
繕わせて出す時、乳母は悲しがって泣き転んだ。宇治の五位、その舅の内舎人などという以前に嚇しに来た人たちが来
報じられたのであった。使いはその翌日の早朝に宇治へ来た。
も聞かないでいることも物足らず思われ、自身で宇治へ行ってみたいと思うのであるが、喪の家へそのまま忌の
月が変わって、今日は宇治へ行ってみようと薫の思う日の夕方の気持ちはまた寂しく、橘の香
宇治へ帰った侍従は右近と二人でひそかに櫛の箱と衣箱の衣裳を
薫も思い余って宇治へ行くことにした。途中からもう昔のことがいろいろと胸へ集まって
なことであると夫人は思い、薫と結婚をして宇治に住まわせられていたこと、そして病んで死んだ話を泣く泣く語るので
何といっても自分の心の混乱し始めたのは宇治の橋姫のせいであると、こんなことを思ってゆくうちに薫の心は
に中宮のお居間に来合わせている時であったが、宇治にいた侍従は物蔭からのぞいて、どちらにもせよこのりっぱな方々の一人
になった姫君であると思い、他の人には宇治の山荘のこと、薫の愛人であった姫君のことなどは知ったふう
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の下にあったのを見つけては、騒がしい響きを立てる宇治川が姫君を呑んでしまったかと、恐ろしいものとしてそのほうが見られる
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ました。実はそれを恐ろしいことに思召して、あの三条の仮屋のような所にしばらくお住いになったのでございます。それから
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時に薫は母宮が御病気におなりになって石山寺へ参籠をあそばされるのに従って行っていて騒がしく暮らしていたので
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とそれとに違ったもののあるのは不思議である。明石の女のもたらしたものはことごとく高華なものであったとこんなことを思う