源氏物語 51 宿り木 / 与謝野晶子 紫式部None
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「三条の宮から」
へ運んだ。六条院が自筆でおしたためになり、三条の尼宮へお与えになった琴の譜二巻を五葉の枝につけて
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ても薄命な生まれなのであるから、しまいにはまた宇治の山里へ帰ることになるのであろうと考えられるにつけても、出て
私を憂鬱にします。慰むかと思いまして先日も宇治へ行って来たのです。庭も籬も実際荒れていましたから、
はした。経巻や仏像の供養などもこの人はまた宇治で行なおうとしているらしい。中の君が父宮の御忌日に託して宇治
ているらしい。中の君が父宮の御忌日に託して宇治へ行き、そのまま引きこもろうとするのに賛同を求めるふうであるのを知って
「宇治へ引きこもろうというようなお考えをお出しになってはいけませんよ。
愛しにもならぬ父宮を唯一の頼みにしてあの寂しい宇治の山荘に長くいたのであるが、いつとなくそれにも馴れ、徒然
の生じるのも無理でない。蜩の声を聞いても宇治の山陰の家ばかりが恋しくて、
来なかったはずであったと、今になっては返す返す宇治を離れて来たことが正気をもってしたこととは思えなくて悲しい
とは思えなくて悲しい中の君は、やはりどうともして宇治へ行くことにしたい、ここを捨てて行くふうではなくて、あちらで
ふうに紛らして、言葉少なに憂鬱なこのごろの心持ちを語り、宇治の山荘へ仮に移ることを薫の手で世話してほしいと頼む心らしく
「それにしてもいつごろ宇治へおいでになろうとお思いになるのですか。伸びてひどくなってい
のことは少しも考えられない薫になっていた。宇治へ非常に行きたがっているようであったが、宮がお許しになるはず
ほかはない、恨んでいるとは宮にお見せすまい、宇治へ行こうとしても信頼する人にうとましい心ができているのであるから
が浅く、またなじみの深い人たちといっては昔から宇治にいた老いた女房らであったから、苦しいことも左右の者に洩らす
ばかりのこともたいそうにおっしゃるではありませんか。今度宇治へおいでになりたいという御相談でやっと私の存在をお認めになっ
宇治の山荘を長く見ないでいるといっそうに恋しい昔と遠くなる気がして
、世間の騒がしいころも過ぎた二十幾日に薫はまた宇治へ行った。建造中の御堂を見て、これからすべきことを命じて
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てお合わせになった。夫人の掻き合わせの爪音が美しい。催馬楽の「伊勢の海」をお歌いになる宮のお声の品よくおきれい
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た人の価値を認めて愛する良人のないはずはない、朱雀院が姫宮を六条院へお嫁がせになった時のことを思ってごらん
に十三絃、琵琶、和琴の名楽器が取り出された。朱雀院から伝わった物で薫の所有するものである。笛は柏木の大納言が夢
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「中務卿親王、上野の親王、中納言源の朝臣がおられます」