源氏物語 18 松風 / 与謝野晶子 紫式部None

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嵐山

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は霧の濃い中をやって参ったのでございます。嵐山の紅葉はまだ早うございました。今は秋草の盛りでございますね。某

大覚寺

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源氏の作っている御堂は大覚寺の南にあたる所で、滝殿などの美術的なことは大覚寺にも劣ら

の南にあたる所で、滝殿などの美術的なことは大覚寺にも劣らない。明石の山荘は川に面した所で、大木の松の

嵯峨野

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ない気がしますから、そこへも行ってやります。嵯峨野の御堂に何もそろっていない所にいらっしゃる仏様へも御挨拶に寄り

大井川

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卿親王が昔持っておいでになった別荘が嵯峨の大井川のそばにあって、宮家の相続者にしかとした人がないままに

山荘は風流にできていて、大井川が明石でながめた海のように前を流れていたから、住居の変わっ

明石

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ないような住居にしてあった。東の対には明石の人を置こうと源氏はかねてから思っていた。北の対をばことに

明石へは始終手紙が送られた。このごろは上京を促すことばかりを言う源氏で

暮らしを考えるほど不安なことはないと煩悶をしながらも明石は、そうかといって姫君をこの田舎に置いて、世間から源氏の

思い出して、そこを家にして上京するつもりであると明石から知らせて来た。東の院へ迎えて住ませようとしたことに

。惟光が源氏の隠し事に関係しないことはなくて、明石の上京の件についても源氏はこの人にまず打ち明けて、さっそく大井へ

滝殿などの美術的なことは大覚寺にも劣らない。明石の山荘は川に面した所で、大木の松の多い中へ素朴に寝殿

おこうとしていた。親しい人たちをもまたひそかに明石へ迎えに立たせた。

涼しい秋風が吹いていて、虫の声もする時、明石の君は海のほうをながめていた。入道は後夜に起きたままで

へ帰ることが尼君をはかなくさせるのであった。明石が、

山荘は風流にできていて、大井川が明石でながめた海のように前を流れていたから、住居の変わった気

たから、住居の変わった気もそれほどしなかった。明石の生活がなお近い続きのように思われて、悲しくなることが多かった。

た。欠点もあるが住みついたならきっとよくなるであろうと明石の人々は思った。源氏は親しい家司に命じて到着の日の一行の饗応

に近い京へ来ながら物思いばかりがされて、女は明石の家も恋しかったし、つれづれでもあって、源氏の形見の琴の絃

気のする日であったから、人の来ぬ座敷で明石がそれを少し弾いていると、松風の音が荒々しく合奏をしかけてきた

はばからずに大井へ出かけることにした。夫人にはまだ明石の上京したことは言ってなかったから、ほかから耳にはいっては気まずい

別荘の新築されつつあることを聞いたが、そこへ明石の人を迎えたのであったかと気づくとうれしいこととは思えなかった

愛嬌の多いのを源氏は非常にかわいく思った。乳母も明石へ立って行ったころの衰えた顔はなくなって美しい女になっている。

と源氏は明石に言うのであったが、

の領地の人たちの集まって来たのは皆そこから明石の家のほうへ来た。そうした人たちに庭の植え込みの草木を

へ帰って来てくだすったことを感謝しています。明石ではまた一人でお残りになって、どんなにこちらのことを想像して

明石の別離の夜のことが源氏の胸によみがえって感傷的な気分になっている

と言うと、乳母は笑いながら明石の所へ行ってそのとおりを言った。女は逢った喜びが二日で

かと思っていた。女房たちからも勧められて、明石はやっと膝行って出て、そして姿は見せないように几帳の蔭へはいるよう

太刀を取りに戸口へ来た時に、御簾の中に明石のいるのを察して挨拶をした。

と言ってやった。明石は手もとにあった品を取りそろえて持たせて来た。衣服箱二荷で