源氏物語 49 総角 / 与謝野晶子 紫式部None
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十月の一日ごろは網代の漁も始まっていて、宇治へ遊ぶのに最も興味の多い時である
逢われぬ不愉快さをどうしようもなく思召された。網代の氷魚の漁もことに多くて、きれいないろいろの紅葉にそれを混ぜて
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の有明月夜に薫は兵部卿の宮の御殿へまいった。三条の宮が火事で焼けてから母宮とともに薫は仮に六条院へ
に、出家したいと思う心はあるのであるが、三条の母宮の思召しもはばかられ、それとこの中の君の境遇の心細さ
と思召して、この話を薫にもあそばされた。三条の宮を落成させて大姫君を迎えようとしていた自分であるが
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「自身の涙を玉に貫そうと言いました伊勢もあなたがたと同じような気持ちだったのでしょうね」
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きらう九月ではあったが、待ちきれぬ心でまた宇治へ行った。これまでのようにして話し合いたいと取り次ぎの女は薫の
をおかわしになるのであった。世間話のうちに宇治のこともお言いだしになり、薫の仲介者としての熱意のなさ
恋をさえ遂げえないものをと薫は思っている。宇治へ行って恋人に逢いたいというふうの宮にお見えになるのを知り
目にもつかぬように一人で計らい、兵部卿の宮を宇治へお伴いして出かけた。御母中宮のお耳にはいっては、こう
始末を何も申し上げなかった。すぐ宮は文を書いて宇治へお送りになった。
夜宮中へおいでになったのであるが、新婦の宇治へ行くことが非常な難事にお思われになって、人知れず心を
、桐壺の宿直所へおいでになり、手紙を書いて宇治へお送りになったあとも、心が落ち着かず吐息をついておいでになる
になるのであった。霧が深く立って特色のある宇治の寂しい景色の作られている中を、例の柴船のかすかに動いて
の宮は、薫が今も一人臥をするにすぎない宇治の夜とは想像もされないで、
月の一日ごろは網代の漁も始まっていて、宇治へ遊ぶのに最も興味の多い時であることを申して中納言が宮をお
の宮は御帰京になったあとでまたすぐに微行で宇治へお行きになろうとしたのであったが、
いろいろな姿の山里の風景も添っていた。恋人の宇治の山荘の景色に似たものへお目がとまって、姫君の御了解
この間を宇治のほうではどんなに待ち遠に思ったかしれない。かりそめの情人をお作り
女王の病のために薫が宇治に滞在していることを、それからそれへと話に聞き、慰問にわざわざ
山里でなくても晴れる日は少ないのであるから、まして宇治は荒れ日和でない日もなく雪が降り積もる中に、物思いをしながらも暮らし
中宮が宇治の女王との関係をお知りになって、その姉君であった恋人を