源氏物語 13 明石 / 与謝野晶子 紫式部None
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なくしてしまうのではないかという気がしまして須磨の方角をながめることもできません。
、船の仕度をしておいて、必ず雨風がやんだら須磨の源氏の君の住居へ行けというようなお告げがありましたから、
は、源氏がかねて聞いていたように美しかった。ただ須磨に比べて住む人間の多いことだけが源氏の本意に反したことのようで
想像力の乏しい画家には描けないであろうと思われた。須磨の家に比べるとここは非常に明るくて朗らかであった。座敷の中の
などと言って、悲しんでいた京の使いが須磨にまだいたのを呼んで、過分な物を報酬に与えた上で、
た。ここの漁業をする人たちは得意そうだった。須磨は寂しく静かで、漁師の家もまばらにしかなかったのである。最初ここ
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のは女の答えたものである。ほのかに言う様子は伊勢の御息所にそっくり似た人であった。源氏がそこへはいって来ようなどと
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ことは一つも残っていないと思って、源氏は明石へ居を移す決心をして、入道へ返辞を伝えさせた。
今日船を私のために寄せてくだすってありがたく思います。明石には私の隠栖に適した場所があるでしょうか」
な清い涼しい風が吹いて来て、船は飛ぶように明石へ着いた。それはほんの短い時間のことであったが不思議な海上の気
明石へ移って来た初めの落ち着かぬ心が少しなおってから、源氏は京へ
。あの晴れ間もないようだった天気は名残なく晴れて、明石の浦の空は澄み返っていた。ここの漁業をする人たちは得意そうだった
に、入道は過去から現在までの身の上話をしだした。明石へ来たころに苦労のあったこと、出家を遂げた経路などを語る。
明石ではまた秋の浦風の烈しく吹く季節になって、源氏もしみじみ独棲みの
源氏は明石から送って来た使いに手紙を持たせて帰した。夫人にはばかりながらこまやか
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「住吉の神、この付近の悪天候をお鎮めください。真実垂跡の神でおいで
住吉の御社のほうへ向いてこう叫ぶ人々はさまざまの願を立てた。
「住吉の神が導いてくださるのについて、早くこの浦を去ってしまうが
不名誉だと考える必要もない。夢の中でも父帝は住吉の神のことを仰せられたのであるから、疑うことは一つも
命も延びる気がした。満面に笑みを見せてまず住吉の神をはるかに拝んだ。月と日を掌の中に得たよう
は特別なお願いを起こしまして、毎年の春秋に子供を住吉へ参詣させることにいたしております。また昼夜に六回の仏前の
なったのではないかと思われます。その理由は住吉の神をお頼み申すことになりまして十八年になるのでございます
は浪速に船を着けて、そこで祓いをした。住吉の神へも無事に帰洛の日の来た報告をして、幾つか