高萩町 佐伯郡 神田神保町 倉敷 松戸 ベルリン 教文館 下関 北海道 川崎 本郷 満洲 武蔵野 九州 大阪 上野公園 千葉 長崎 広島 巴里 大津 深川 杉並区 武蔵野市 東京 銀座 吉祥寺 阿佐ヶ谷

高萩町といふのは地図で見ると海岸にあるやうですね。八幡村といふの

●昭和二十年八月二十三日　広島県佐伯郡八幡村田尾方より　茨城県高萩町南町深谷方　永井善次郎（佐々木基一）宛

●昭和二十年九月十五日　広島県佐伯郡八幡村田尾方より　松戸市三丁目一〇〇三鴻巣方　永井善次郎宛

●昭和二十四年七月十三日　神田神保町より　原美樹宛

思つてゐます。二十五日か六日に出発、途中倉敷と本郷へ立寄りますから広島へ着くのは卅日頃となるでせう。

を訪ねたいと思つて居るのですがまあこの手紙は松戸の方へ差出しておきます。八月六日の事は今になつて考へ

●昭和十一年六月三十日　千葉市登戸より　ベルリン在　村岡敏宛

●昭和十一年七月十五日　千葉市登戸より　ベルリン在　村岡敏宛

梅雨が晴れて千葉も暑くなり蚊がブンブンブンブンブンブン啼く　ベルリンには蚊が居るかしらん身躰を大事にして元気で暮し給へ

●昭和十一年七月二十四日　千葉市登戸より　ベルリン在　村岡敏宛

光太は元気ですか。この前教文館の傍で出逢つた時のやうに、てらてらと精力的な容貌をして居り

氣球がゆらゆら搖れて居ります　柳町の叔父さんはこの間下関まで君を見送り帰りに秋吉の鐘乳洞を見物したさうです　善次郎君

乳洞を見物したさうです　善次郎君はこの夏は北海道旅行をする由です　北海道もビイルはうまいといふ話だがドイツのビイルは

です　善次郎君はこの夏は北海道旅行をする由です　北海道もビイルはうまいといふ話だがドイツのビイルはどんなにかうまいことかと

●昭和二十五年三月頃　武蔵野市吉祥寺二四〇六川崎方より　茨城県多賀郡大津町西町大津館内　永井善次郎宛

ゐます。二十五日か六日に出発、途中倉敷と本郷へ立寄りますから広島へ着くのは卅日頃となるでせう。何分

を出しましたが届かなかつたことでせう。本郷にも思ひがけぬ不幸が訪れたものですね。

来ます。思へばあはただしい一年間でした。近いうちに本郷を訪れようと思つて居ります。それでは御元気で居て下さい。

日日附のハガキ今日受取りました。もしかすると君は本郷の方へ居るのではないかとも思ひそれだと上々、僕も本郷

のではないかとも思ひそれだと上々、僕も本郷を訪ねたいと思つて居るのですがまあこの手紙は松戸の方へ差出し

どうやら持ちこたへ、今は快方に向つて居ます。本郷の兄の死因もこれと同じだらうと思ひます。元安橋辺が中心地ですから

先日本郷へ行つて来ましたが、上りも下りも大変な列車で窓から乗り窓

の旅客で目もあてられないやうな暗さでした。本郷でも恰度八百三さんが家族をつれて帰つて来たところでした。こんどは

本郷へはまだおいでになりませんか。

御手紙有難う。御無沙汰してゐましたが先日本郷へ行つたので、あなたのことも承知してをりました。会へなかつ

南京でどうしてゐるのかさつぱりわかりません。村岡は満洲に居るらしいです。美樹は九月のはじめに復員して帰つて来ました

。この近辺を歩いてゐると樹木が多いので、ひとりでに武蔵野を感じます。大岡昇平の「武蔵野夫人」は名作になりさうですね。埴谷

いろいろ聞かされました。そこの家は戦禍を免れ息子は九州の方に居て今は夫妻きりの暮しです。で、もし御上京の折

んか。扨て話は別ですがヘンリー・クボ君は大阪へ転勤になりました。そのヘンリー君の紹介で増岡登三郎といふ伯父を

域を出ないでせう。有楽町駅のコンクリの上にも上野公園の石段の上にも赤ん坊を抱へた女がぽかんとした顔でね

が發賣禁止になり　男お定が出沒して居ります　千葉は梅雨で眼の赤い氣球がゆらゆら搖れて居ります　柳町の叔父さんは

追伸　千葉の小犬は大分娘らしくなりました　今年の暮頃には子を産む

とかいふオペラをやつて居る　やつと梅雨が晴れて千葉も暑くなり蚊がブンブンブンブンブンブン啼く　ベルリンには蚊が居るかしらん身躰

アルプス登山の四勇士はあへなく倒れたそうですね　千葉の小犬には近所の不良犬がぞろぞろと押しかけて來ます　それこそ選りどり

でもをかしく思ひながら、神経は絶えずいらだつて居る。千葉の方も心配だし比較的早く帰るかもしれない。強羅は蠅が物凄

千葉へ帰つて会社へも出たが疲れが出たのか熱が出て

。和木さんを訪ねたら二人とも頗る元気さうだつた。先頃千葉へ行つてみた。もとの家は無事に残つてゐたので

はしまへんか　今日は颱風が吹いて居て昨日長崎沖で軍艦が搖れて沈みかけた　アア防空演習で東京はマツクロケノケだそうだ

てをるのに感心するが焼残つてをるところもあり広島とは違つたものを感じることもたしかだ。

してゐる。八月六日もすぐだが、その日広島では復興祭があり、録音を巴里に放送するさうだね。一寸行つ

先日はいろいろ御世話になりました。七時二十五分広島発の列車は大竹から、復員列車として変更されてゐたの

日か六日に出発、途中倉敷と本郷へ立寄りますから広島へ着くのは卅日頃となるでせう。何分その折には

なことと存じます。大分陽気も暖かになりましたから広島も賑やかになつてゆくことでせう。東京も人足ばかりはぞろぞろして

暑いね、今年は少し暑すぎるやうだ。広島も暑いことだらう。この頃こちらは停電と断水が毎日つづき水も思ふ

が十五日に広島で行はれますので、それまでに広島へ行くことにしました。着広は十二日か十三日になります

なことと思ひます。扨てペンクラブの会が十五日に広島で行はれますので、それまでに広島へ行くことにしました。

広島の中心部で罹災した人は油断が出来ないらしいやうです。僕達

時時妙な光線がチラついて困ります。八幡村へ移る時広島の焼跡を通過しましたが全く奇怪な光景でした。銀灰色の廃墟の

ものではない姿でのそのそ歩いてゐました。その晩広島の街は燃えつづきました。水を求めて狂ひまはる瀕死者の叫び

朝八時頃警戒警報が解除になつて間もなく、広島上空に一機がパラシユートを投下したのを見たといふ人があり

広島は己斐駅のあたりが賑やかになり、バラツクの食堂が建つて居ります。物価

僕も、正月以来早く八幡村を立去らうと思ひ、或は広島の城谷の家に置いて貰つて一時就職しようかとも考へてゐ

と思へました。美樹が漸く上京して来ました。広島では間もなくバラツクが建つさうでこの暮には一度あちらへ行つて

だが、その日広島では復興祭があり、録音を巴里に放送するさうだね。一寸行つてみたいやうだ。去年の今日は

月頃　武蔵野市吉祥寺二四〇六川崎方より　茨城県多賀郡大津町西町大津館内　永井善次郎宛

頃　発信所不明（千葉市登戸二の一〇七の自宅からか）深川恭子（妹）宛

大森区馬込東二ノ八九九末田方より　倉敷市元町四二七　深川恭子宛

月三日　大森区馬込東二ノ八九九末田方より　杉並区阿佐谷　永井善次郎宛

月十七日　大森区馬込東二ノ八九九末田方より　杉並区阿佐谷　永井善次郎宛

昭和二十二年七月三日　東京都中野区打越十三平田方より　杉並区阿佐谷　永井善次郎宛

昭和二十三年二月六日　東京都神田神保町三ノ六より　杉並区阿佐谷　永井善次郎宛

●昭和二十五年三月頃　武蔵野市吉祥寺二四〇六川崎方より　茨城県多賀郡大津町西町大津館内　永井善次郎宛

うまいらしい　さて代表軍の元氣は盛ですか　この間東京出發の際は少し痩れて居たやうだが　長の旅路の

昨日長崎沖で軍艦が搖れて沈みかけた　アア防空演習で東京はマツクロケノケだそうだ　アルプス登山の四勇士はあへなく倒れたそうです

なかなか東京もよく焼かれてをるのに感心するが焼残つてをるところもあり

のやうに寒冷で、おまけに近頃は米の配給はなく東京の電車に笑顔を湛えてゐる人間を見かけなくなつた。和木さんを訪ね

が、とにかく無事で東京へ参りました。来てみれば東京はうんざりさすものと何か新しく期待さすものとに満ちてゐるやうです。

たので、大変な混み方でしたが、とにかく無事で東京へ参りました。来てみれば東京はうんざりさすものと何か新しく期待

東京は盆で電車はもの凄いばかりです。それでは暑さの折から御大切

もつともまだ東京見物は陰惨の域を出ないでせう。有楽町駅のコンクリの上にも

食べられません。寒いのでとかく縮こまつてゐますが東京の街もインフレで憂鬱なことです。

ましたから広島も賑やかになつてゆくことでせう。東京も人足ばかりはぞろぞろしてゐますが、闇市の闇の物凄いことに胆

のあいだ坐つてゐて御飯が食べられたので、東京へ戻つて来ると外食に出あるくのが忙しく佗しいことです。

今朝無事で東京に戻りました。

、忠海辺へ下宿でもあればと思つて居ります。東京近辺でも適当な下宿さへあれば早く出たいと思つて居りますが、

賑やかになり、バラツクの食堂が建つて居ります。物価は東京とあまり違はないのではないかと思へる位です。乞食もだいぶ居る

でおいてくれる所はないでせうか。参考までに東京の下宿料がわかつたらお知らせ下さい。この間原製作所の解散式があり

ことをきかされるとひどく気が滅入つてなりません。東京の近くで月三百円位でおいてくれる所はないでせうか。

ハガキ有難う。東京はこの一週間ばかり猛暑です。僕の部屋など畳が熱くなつてゐて

女がぽかんとした顔でねそべつて居ります。銀座は綺麗になつたやうですが全体としてまだまだ焼跡のままのところが

●昭和二十五年二月　東京都武蔵野市吉祥寺二四〇六より　広島市幟町　原信嗣宛

●昭和二十五年四月六日　東京都武蔵野市吉祥寺二四〇六より　広島市幟町　原信嗣宛

●昭和二十五年四月末ごろ　東京都吉祥寺より　広島市幟町　原信嗣宛

●昭和二十五年三月頃　武蔵野市吉祥寺二四〇六川崎方より　茨城県多賀郡大津町西町大津館内　永井善次郎宛

阿佐ヶ谷の方はあまり焼かれてゐないのですか。自炊生活も容易では

など畳が熱くなつてゐて昼寝さへ出来ません。時時阿佐ヶ谷の美樹のところへ避暑に行きます。水田氏とは一度逢ひましたが