寐顔 / 永井荷風
地名一覧
鎌倉
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母子は毎年八月になると鎌倉か逗子かへ二、三週間避暑に行く。竜子が十五になった時の
休みとなった所から、母子は一度東京へ帰ってまた鎌倉へ引返した事があった。滞在中に二度ほど岸山先生が見えた。
滞在中に二度ほど岸山先生が見えた。二度とも鎌倉のある病家へ往診に来たついでだという事であった。二度目の
次の年、竜子はもう十六である。去年と同じように鎌倉に避暑していた時竜子は毎日母と二人ぎり差向いのたいくつさに、
茗荷谷
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腰をかけている二人連の見知らぬ男の口から、茗荷谷という自分の住んでいる町の名と、小林という自分と同じ名前が
東京
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た。晩食をも一緒にすましてから先生は最終列車で東京へ帰る。それをば母子は涼みながら停車場まで送って行った。
は九月末まで休みとなった所から、母子は一度東京へ帰ってまた鎌倉へ引返した事があった。滞在中に二度ほど
週間避暑に行く。竜子が十五になった時の秋、東京にコレラが流行して学校は九月末まで休みとなった所から、
東京に還ってからその年は冬になっても母子二人ともに風邪一つ