根岸 手児奈 江戸 音羽町 荒川堤 小石川 入谷 忍川 牛込区 下谷 千葉 深川 板橋区 東京 新宿 銀座 浅草 御徒町 新富町 日本橋 市ヶ谷 千駄ヶ谷 目黒 虎ノ門 向島 新橋 巣鴨 築地川 京橋 境川

に至り、また王子音無川の流の末をたずねては、根岸の藍染川から浅草の山谷堀まで歩みつづけたような事がある。しかしそれ

堤の下を低く流れて、弘法寺の岡の麓、手児奈の宮のあるあたりに至ると、数町にわたってその堤の上に桜

九年には南畝は既に六十四歳になっていた。江戸から遠くここに来って親しく井の水を掬んだか否か。文献の徴す

の溝○竹島町の人参川○音羽久世山崖下の細流○音羽町西側雑司ヶ谷より関口台町下を流れし弦巻川。

くらいに止って、殆どその他のものを知らなかった。荒川堤の南岸浮間ヶ原には野生の桜草が多くあったのを聞きつたえて、草鞋ばき

小石川区内では○植物園門前の小石川○柳町指ヶ谷町辺の溝○竹島町の人参

小石川区内では○植物園門前の小石川○柳町指ヶ谷町辺の溝○竹島町の人参川○音羽久世山崖下の細流○

、ほぼ年代を同じくしていたように考えている。入谷の朝顔と団子坂の菊人形の衰微は硯友社文学とこれまたその運命を同じく

られた新堀の流れ。三枚橋のかけられていた御徒町の忍川の如き溝渠である。

牛込区内では○市ヶ谷冨久町饅頭谷より市ヶ谷八幡鳥居前を流れて外濠に入る溝川

があるが、これもまたわたくしには、溝の多かった下谷浅草の町や横町を、風の吹く日、人力車に乗って通り過ぎたころ

○千束町小松橋かかりし溝○吉原遊郭周囲の鉄漿溝○下谷二長町竹町辺の溝○三味線堀。その他なお多し。

浅草下谷区内では○浅草新堀○御徒町忍川○天王橋かかりし鳥越川○白鬚

改元のころには、山谷の八百善、吉原の兼子、下谷の伊予紋、星ヶ岡の茶寮などいう会席茶屋では食後に果物を

夏から秋へかけての日盛に、千葉県道に面した商い舗では砂ほこりを防ぐために、長い柄杓で溝の

線路の片側は千葉街道までつづいているらしい畠。片側は人の歩むだけの小径を残して

千葉街道の道端に茂っている八幡不知の藪の前をあるいて行くと、

或日試みた千葉街道の散策に、わたくしは偶然この水の流れに出会ってから、生来好奇

流は千葉街道からしきりと東南の方へ迂回して、両岸とも貧しげな人家の

本所深川区内では○御蔵橋かかりし埋堀○南北の割下水○黒江町黒江橋

採集に出かけた。この浮間ヶ原も今は工場の多い板橋区内の陋巷となり、桜草のことを言う人もない。

予想の外にあったが故である。戦災の後、東京からさして遠くもない市川の町の附近に、むかしの向嶋を思出させる

ならず枝や幹の形をも眺めやったのである。東京の人が梅見という事を忘れなかったむかしの世のさまがつくづく思い返さ

五十年前、電車も自動車も走っていなかったころの東京の町を思出すことがある。

つくろい直しの声。それらはいずれもわたくしが学生のころ東京の山の手の町で聞き馴れ、そしていつか年と共に忘れ果てた懐しい

東京下町の溝の中には川のながれと同じように、長く都人に記憶

東京の郊外が田園の風趣を失い、市中に劣らぬ繁華熱閙の巷と

コスモスの花が東京の都人に称美され初めたのはいつ頃よりの事か、わたくしはその

に見る花よりも口にする団子の方に転じた。東京の都人が食後に果物を食うことを覚え初めたのも、銀座の繁華

も、口にしたことが稀であった。むかしから東京の人が口にし馴れた果物は、西瓜、真桑瓜、柿、桃、

かつて東京にいたころ、市内の細流溝渠について知るところの多かったの

ても梅は大方枯れていた。向嶋のみならず、新宿、角筈、池上、小向井などにあった梅園も皆閉され、その中に

四谷新宿辺では○御苑外の上水堀○千駄ヶ谷水車ありし細流。

戦争中にも銀座千疋屋の店頭には時節に従って花のある盆栽が並べられた。また

銀座通の繁華が京橋際から年と共に新橋辺に移り、遂に市中

都人が食後に果物を食うことを覚え初めたのも、銀座の繁華と時を同じくしている。これは洋食の料理から、おのずと日本食

あるが、これもまたわたくしには、溝の多かった下谷浅草の町や横町を、風の吹く日、人力車に乗って通り過ぎたころの

浅草下谷区内では○浅草新堀○御徒町忍川○天王橋かかりし鳥越川○白鬚橋瓦斯タンクの辺橋場

浅草下谷区内では○浅草新堀○御徒町忍川○天王橋かかりし鳥越川○

ようになったのも、丁度その時分からで、南鍋町と浅草公園とにパウリスタという珈琲店が開かれた。それは明治天皇崩御の

音無川の流の末をたずねては、根岸の藍染川から浅草の山谷堀まで歩みつづけたような事がある。しかしそれはいずれも三十

のかけられた新堀の流れ。三枚橋のかけられていた御徒町の忍川の如き溝渠である。

浅草下谷区内では○浅草新堀○御徒町忍川○天王橋かかりし鳥越川○白鬚橋瓦斯タンクの辺橋場のおもい川

は○木挽町一、二丁目辺の浅利河岸（震災前埋立）○新富町旧新富座裏を流れて築地川に入る溝渠○明石町旧居留地の中央を

日本橋区内では○本柳橋かかりし薬研堀の溝渠（震災前埋立）

牛込区内では○市ヶ谷冨久町饅頭谷より市ヶ谷八幡鳥居前を流れて外濠に入る溝川○弁天町の細流○早稲田鶴巻町山吹町辺を流れ

牛込区内では○市ヶ谷冨久町饅頭谷より市ヶ谷八幡鳥居前を流れて外濠に入る溝川○弁天町の細流

四谷新宿辺では○御苑外の上水堀○千駄ヶ谷水車ありし細流。

雑司ヶ谷、目黒、千駄ヶ谷あたりの開けたのは田園調布あたりよりもずっと時を早くしていた。

国木田独歩がその名篇『武蔵野』を著したのもたしか千駄ヶ谷に卜居された頃であったろう。共に明治三十年代のことで

ふれもみで」の一首に世を驚したのは千駄ヶ谷の新居ではなかった歟。国木田独歩がその名篇『武蔵野』を著し

雑司ヶ谷、目黒、千駄ヶ谷あたりの開けたのは田園調布あたりよりもずっと時を早くしてい

せられてコスモスの流行るころには、西河岸の地蔵尊、虎ノ門の金毘羅などの縁日にも、アセチリンの悪臭鼻を突く燈火の下に陳列

は硯友社文学とこれまたその運命を同じくしている。向島の百花園に紫※や女郎花に交って西洋種の草花の植えられた

銀座通の繁華が京橋際から年と共に新橋辺に移り、遂に市中第一の賑いを誇るようになったのも

これを例すれば植物園門前の細流を見てその源を巣鴨に探り、関口の滝を見ては遠きをいとわず中野を過ぎて井の頭

浅利河岸（震災前埋立）○新富町旧新富座裏を流れて築地川に入る溝渠○明石町旧居留地の中央を流れた溝渠。むかし見当橋のかかっ

京橋区内では○木挽町一、二丁目辺の浅利河岸（震災前埋立）○新富町

銀座通の繁華が京橋際から年と共に新橋辺に移り、遂に市中第一の賑いを

砂町では○元〆川○境川おんぼう堀。その他。