神田錦町 下谷 富山 日本橋 市ヶ谷 神田

／＼新作家の作物を出しはじめたのです。初は神田錦町の神田警察署の側に店がありました。それから明治四十二三年

房も大きな本屋ですが私が曾て春陽堂から出した「下谷叢話」を是非出さしてくれと云ふから改訂して出すと、後から

なるとどの本屋も金には却てきたなくなるやうです。富山房も大きな本屋ですが私が曾て春陽堂から出した「下谷叢話」

ので文学書肆の中では一番有名でした。店は日本橋通三丁目の角で土蔵造りでした。その時分には印税の契約は

本屋が無くて困つてゐたのです。上田敏先生は日本橋角の大倉はどうだらうと云はれたのですが森先生はひどく反対

ありました。それから明治四十二三年頃には市ヶ谷見附内から飯田町に移つたのです。春陽堂は紅葉露伴のもの

新作家の作物を出しはじめたのです。初は神田錦町の神田警察署の側に店がありました。それから明治四十二三年頃

では別に損害は受けてゐません。三省堂は同じ神田の教科書屋ですが私の物を何かに引用したからと云つて