砂糖 / 永井荷風
地名一覧
リヨン
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行く女の声。ソルボンの大時計の沈んだ音。またリヨンの下宿に朝な朝な耳にしたロオン河の水の音。これ等はすべて泡立つ
江戸
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浮世絵を好む人は※斎や北斎等の描ける摺物に江戸特種の菓子野菜果実等の好画図あるを知っているであろう。桜花散り来る
長崎
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蜀山人が長崎の事を記した瓊浦又綴に珈琲のことをば豆を煎りたるもの焦臭く
巴里
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啜ろうと半身を起す時、枕元には昨夜読みながら眠った巴里の新聞や雑誌の投げ出されてあるのを見返りながら、折々われにもあら
巴里の街の散歩を喜んだ人は皆知っているのであろう。あのショコラムニ
巴里の宿屋に朝目をさましショコラを啜ろうとて起き直る時窓外の裏町を角笛吹い
新橋
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は柳橋の小家に三味線をひいていた頃、又は新橋の妓家から手拭さげて朝湯に行った頃――かかる放蕩の生涯が
大久保
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父の世に在った頃大久保の家には大きな紫檀の卓子の上に折々支那の饅頭や果物が青磁
銀座
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都下の酒楼に上って盃盤の俗悪を嘆く虞なく、銀座を散策して珈琲の匂いなきを憤る必要もない。
隅田川
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の名を忘れたが、これも江戸座の句に「隅田川はる/″\来ぬれ瓜の皮」というのがあった。