万世橋 新橋 東京 日本橋 銀座 神田 京橋

て貰う必要があって、一日おきに芝口のお宅から万世橋の病院まで通っていらしった。それも一と月くらい通わなければならない

日の夕暮の五時頃に、金杉橋の電車通りを新橋の方へぶらぶら散歩している時であった。

を向いて何かしら考え始めた、―――二人はもう新橋を渡って歳晩の銀座通りを歩いていたのである。

こともあったじゃありませんか、奥さんが乗合自動車で新橋から須田町へおいでになる途中で、その自動車が電車と衝突して、

東京Ｔ・Ｍ株式会社員法学士湯河勝太郎が、十二月も押し詰まった或る日の

「私立探偵」―――日本には珍しいこの職業が、東京にも五、六軒できたことは知っていたけれど、実際に会う

枚の名刺を見ると、「私立探偵安藤一郎　事務所　日本橋区蠣殻町三丁目四番地　電話浪花五〇一〇番」と記してある。

をでも促すような工合に。それから、あたかも二人は日本橋の橋手前まで来ていたのだが、探偵は村井銀行の先を

私かに今夜の自分自身を幸福に感じていた。これから銀座へでも行って、この間からせびられていた妻の手套と肩掛

始めた、―――二人はもう新橋を渡って歳晩の銀座通りを歩いていたのである。

時分に、細君の実家の子供が激烈な感冒に罹って神田のＳ病院へ入院することになりました。すると夫は頼まれも

二人は京橋を渡った、が、紳士も湯河も、自分たちが今何処を歩いて