老夫婦 / 黒島伝治
地名一覧
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。一度は会社の同僚と、園子も一緒に伴って、飛鳥山へ行った。
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絹物とてはモリムラと秩父が二三枚あるきりだった。それもひなびた古い柄だった。その外に
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なってきた。熱もあるようだ。おしかは早速、富山の売薬を出してきた。
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「あの神戸で頼んだ行李は盗まれやせんのじゃろうかな?」お茶を一杯
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のことを想像して話しあった。そのうちに、両人も東京へ行けるかも知れない。
。大きな会社にはいるのだろうと彼等はまだ見ぬ東京のことを想像して話しあった。そのうちに、両人も東京へ行けるか
学校を出て三年たつと、清三は東京で家を持った。会社に関係のある予備陸軍大佐の娘を妻に
それから一年ばかりたって、両人は田舎を引き払って東京へ行くことになった。
「こんな物を東京へ持って行けるんじゃなし、イッケシ(親戚のこと)へ預けとく云うたって
手織縞やこし着んぞ。」為吉は美しいさっぱりした東京の生活を想像していた。
「……うらあもう東京イ行たらじゝむさい手織縞やこし着んぞ。」為吉は美しいさっぱり
「温くうなって歩きよいせに、ちっと東京見物にでも連れて行って貰おういの。」
、うらあ浅草の観音さんへ参りたいんじゃ。……東京イ来てもう五十日からになるのに、まだ天子さんのお通りに
「なんぼ広い東京じゃとて問うて行きゃ、どこいじゃって行けんことはないわいや。」
興味をそゝって話の種になったものだが、東京の街で見るものは彼等にとって全く縁遠いものだった。浅草の
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「それよりぁ、うらあ浅草の観音さんへ参りたいんじゃ。……東京イ来てもう五十日から
気の毒になったらしく、止めさせるような言葉を挟み挟み、浅草へ行く道順を話をし、停留場まで一緒に行って電車にのせてやっ
で見るものは彼等にとって全く縁遠いものだった。浅草の観音もさほど有がたいとは思われなかった。せわしく往き来する人や車