シベリア 敦賀 屋島

年兵になって暫らく衛戍病院で勤務して、それからシベリアへ派遣されたのであった。一緒に、敦賀から汽船に乗って来

て来た同年兵は百人あまりだった。彼等がシベリアへ着くと、それまでにいた四年兵と、三年兵の一部と

は、あと、もう一箇年間、お国のために、シベリアにいなければならないというだけであった。

はないんだ、いつなんどきパルチザンにやられるかも知れないシベリアなんぞ、もうあき／＼しちゃった。」

たり、露西亜人に殺されたりしているのである。シベリアへ兵隊を出すことさえ始めなければ、自分達だって、三年兵にも

からシベリアへ派遣されたのであった。一緒に、敦賀から汽船に乗って来た同年兵は百人あまりだった。彼等がシベリア

やる気になれなかった。帰還した同年兵は、今頃、敦賀へついているだろうか。すぐ満期になって家へ帰れるのだ！　二人

思っていた。シベリアへ来るため、乗船した前夜、敦賀で一泊した。その晩のことを思い出したりした。その港町がなつかしく

は、帰還者を決定する際、イの一番に、屋島の名を書き加えていた。――つまり、銃剣を振りまわしたり、拳銃を放っ

――汽車を待っている間に、屋島が云った。