玉の輿 / 正宗白鳥

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地名一覧

東京

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たいと思つてるんだけど、同じ奉公させるのなら、東京へ出した方が當人の爲になりやしないかと思つて迷

容色よしが、大磯に別莊を有つてゐる松本男爵の東京の本宅に小間使奉公をしてゐるうち、男爵家に出入りの商人に見染め

御別莊では、避暑時に使ひ馴れた女中を東京の本邸へ連れて行くことも少なくない。さう云つた女の子は、一般に

といふ少女のことであつた。坊ちやんの父親は、東京の本邸でその噂を耳に入れるや否や、激怒して「よし、

「よねちやんなら、東京へ出したつて恥しくはないからね。」と、おたまの姑は、おたま

には一番に仲のいゝ遊び友達であつたおよねが、東京で玉の輿に乘りかけてゐるといふ噂を耳に入れてからは、いろ

「お前は、東京へ御奉公に出る氣にはならないかよ。」と、ある晩、

「東京へ行つたつて、みんながみんないゝ目が出るとは限らないさ。おれ

「わたしだつて東京へ行きたくないことはないよ。だけど、奉公はいやさ。學校へ

「わたしが東京の學校へ上りたいと云つたつて、どうせ行かせて貰へる氣遣ひは

も、智惠は優るとも劣つてやしないのだから、東京へ出して稽古事をさせたなら、立派に藝を身に具へること

「これから東京へいらつしやつたら、お寄んなさいましね。」と、およねが、

の手傳ひをしてせつせと働いた。……東京行の空望みは、彼女等の心をさして動かさなくなつた。

日本橋

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「さう云へば、濱田のよつちやんは、日本橋の大きな問屋の息子さんに所望されて、お嫁入りすることに話が