癩 / 島木健作

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地名一覧

四貫島

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太田は當時、四貫島の、遠縁にあたる親戚の家の部屋を借りて住んでゐた。二階

瀬戸内海

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から溶けて流れ出たかと思はれる樣な夏の朝の瀬戸内海を渡り、それから汽車で半日も搖られて東海道を走つた。さうして、

大阪

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達と一緒に一室に腰をおろしてゐた。それは大阪のどこか明るい街に竝んだ、喫茶店ででもあつたらう。何かの集會

前の昔につれて行つた。――その頃太田は大阪に居て農民組合の本部の書記をしてゐた。ある日、仕事を

丁度それと前後して太田は大阪を去り、地方の農村へ行つて働く事になつた。同じ年の春、

やがて正式に(原文二字缺)となつた。彼は大阪に存在すると思はれる上部機關に對して絶えず意見を述べ、複雜で

煤煙がどこからか入つて來て障子の棧などを汚す大阪の町々のことを考へ、それらの町のどこか奧ふかく脈々と動いて

てわかるにはわかつてゐたんだが。あの二人は大阪近郊の癩療養所の醫者なんです。つまり專門家に診せたわけですね。