第一義の道 / 島木健作
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。死んだ夫の米吉は故郷仙臺から早く北海道に渡り、札幌に住んで、諸官廳や學校に出入りしてかなり手廣く諸工事を請負
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がうといふ話題はべつにないのだつた。ただ、大阪の武夫からも君のことを心配して手紙が來てゐた、と聞かさ
しからいつぞやの新聞を持つておいで。あの、大阪の兄さんの寫眞がのつてゐる。」
「大阪よりは。」
「大阪よりも向うなんです。」
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「をぢさん、此頃でも本郷へ毎晩夜店を出してるの。」
、昭和堂がすべてそれを親切にやつてくれた。「本郷てとこは固い本の客が多いからゴミ市ばかりぢや無理だね。」と
をはいて、ビール箱に詰めた本を荷車にのせて本郷の夜店通りまで引いて行つた。指定の場所に本をならべ店の恰好を
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深いのである。死んだ夫の米吉は故郷仙臺から早く北海道に渡り、札幌に住んで、諸官廳や學校に出入りしてかなり手廣く
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の手※りの荷物をまとめ、その家を出て、下谷初音町のある青物屋の二階に引越して行つた。順吉が學生時代長く
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週間あまりといふものまるで家におちつくひまもなかつたが、新宿の××屋の建築工事な、あれが今度いよいよわしの手に落ちること
取り返しのつかぬことをしたとおもつた。彼は新宿で降り、圓タクを拾つた。どのくらゐか經つて約束の場所
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さで説明し、近いうちに外科學會が開かれるから東京へやつてくる、そのときにはあんたも會へるこつたらうといひ、最後
「東京のこつちですか、それとも向うですか。」
心がしだいにあやしく亂れ出して行くのを感じた。東京へ行き着いたが、ほかに身をよせるところとてはない、ひさの許に
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ある日彼は暮近い銀座の雜沓のなかをあるいてゐた。道路の片隅に老婆がひとり、蜜柑