銀座 東京

銀座街頭

静穏とばかりもいへない危機にさしかかつてゐたが、銀座街頭の黄昏には、まだたしかに都会らしいおつとりとした暮靄の美

た昔の余も以前になるが、その頃は昼間の銀座通りなんかは人通りも今日のやうでなく、歩道はがらんとして紙屑なんか

のみ特有のものだから、私はいまもこりずに「銀座」の名を心の底で愛してゐる。所用のついでに、私は

は好事家でないから調べてみようとも思はないが、とにかく銀座四丁目のこの一角には、私の記憶の最初からそれがあつた。斜め

てニュース映画の端くれにも感ぜられるほどのものが、東京銀座にはいつかうにない。からきしそんなものがない代りに、妙にいけ図々しい

かへのないのは前にいつた。けれども日本東京銀座の街頭はいつかう新らしく変つた訳でも、生き生きと活溌になつた

さうだ、それらの天幕は間もなく銀座から影を没して、どこかの田舎町で今度はサーカスの屋根を葺くだら

の名は今も存するが、この店先は私が幾度か東京を離れて久方ぶりに上京をしてみると、ほとんどその度ごとにいつも模様

してニュース映画の端くれにも感ぜられるほどのものが、東京銀座にはいつかうにない。からきしそんなものがない代りに、妙にいけ

つかへのないのは前にいつた。けれども日本東京銀座の街頭はいつかう新らしく変つた訳でも、生き生きと活溌になつ