富士見町 横浜 不忍池 一ツ橋 大阪 増上寺 秋田 東京 お茶の水 神田

始は画より人物に惚れたので、其頃武内は富士見町の薄闇い長屋の鼠の巣見たやうな中に燻つて居ながら太平楽

鉄道の駅長が一人、商館番頭が築地（諸機械）と横浜（生糸）とで二人、漁業者と建築家とで阿米利加に居る者が二人、

地方の中学教員が一人、某省の属官が二人、大阪と横浜とで銀行員が二人、三州の在に隠れて樹を種ゑて居るのが

之より先四六版時代に今一人画家が加りました、横浜の商館番頭で夢のやうつゝと云ふ名、実名は忘れましたが、素人

廿一年の春であつたか、少年園の宴会が不忍池の長※亭に在つて、其の席上で相識に成つたのでした、其

其内に山田は芝から一ツ橋まで通学するのは余り遠いと云ふので、駿河台鈴木町の坊城の邸内に

二人、地方の中学教員が一人、某省の属官が二人、大阪と横浜とで銀行員が二人、三州の在に隠れて樹を種ゑて居る

はない、其間に余程文章を修行したものらしい、増上寺の行誡上人や石川鴻斎翁の所へ行つたのは総て此間の事で、

に住んで、庭に古池が在つて、其畔に大きな秋田蕗が茂つて居たので、皆が無理に蕗の本宗匠に

置く必要が有る、明治十五年の頃でありましたか東京府の構内に第二中学と云ふのが在りました、一ツ橋内の第

、是は私の竹馬の友の久我某が石橋とはお茶の水の師範学校で同窓であつた為に私に紹介したのでしたが、

目覚しいものでした、出版の事は一切山田が担任で、神田今川小路の金玉出版会社と云ふのに掛合ひました、是は山田が

先輩であつたから、戯に宗匠と呼んで居た、神田の五十稲荷の裏に住んで、庭に古池が在つて、其畔に