駒場 石狩岳 旭川 北海道 福岡市 旭岳 小樽 佐賀 東京 目黒

です。父の持山に葡萄を栽培するのが目的で、駒場の農科大学に入学して、卒業間際になっていた者ですが、九州

て軒下に積んだ寝床用の枯草の中から、青い青い石狩岳の上空に消え失せて行く機影を見送っているうちに何か知らタマラない不吉な

を物ともせずに、折からの暗夜に紛れて、旭川の町にかかっているその劇団に付き纏うたものでしたが、そのうちに、

を首に引っかけた、乞食然たる男の姿が、ヒョッコリ旭川の町に現われて、何やら訳のわからない事を口走りながら、ウロウロし初め

て来ましたからね。おまけに秋口といっても、旭川の日中はまだ相当暑いのですからね。何でもソレらしいものを見さえ

先だろうがおなじこと。悲鳴をあげて狂い出すのでトウトウ旭川の町中の大評判になってしまいました。

エロ狂の骸骨男が、ドウ戸惑いをしたものか、旭川の警察署へ飛び込んで、保護を受けるようになりますと、世間は又広いもの

、東京の目黒に在る精神病院の副院長で、その当時旭川に帰省していた、何とかいう富豪の医学士でしたが、その

もせずに、生きた木乃伊と同様の浅ましい姿で、旭川の町にさまよい出ると、裸体女が眼に付くたんびに飛び上って悲鳴をあげる

断然出来ませぬ。御承知の通り現在、只今の私は、北海道の炭坑王と呼ばれていた谷山家の養嗣子、秀麿と認められて

夏の初めに、原因不明の仮死状態に陥ったまま、北海道は石狩川の上流から、大雨に流されて来た、一個のルンペン屍体

と違いまして未開野蛮な……むしろ神秘的な処の多い北海道の出来事ですからね。その辺のところを十分に御斟酌下すって、お聴き取り

に失敗して、この世を悲観した結果、人跡未踏の北海道の山奥で自殺して、死骸を熊か鷲の餌食にするつもりで、山

その第一というのは、さしもに北海道切っての放埒者と呼ばれていた龍代が、意外にも処女であっ

北海道は石狩川の上流、山又山のその又奥の奥山に、一軒の原始的

ところが最近に到って、北海道特有の薬草採りが、霧に出会って山道に踏み迷った結果、偶然に、遠く

してからというもの、急に評判が高くなって、北海道中に拡がってしまった。……その一軒家は、まだ誰も知らないアイヌ部落

の離れ小舎だろうと云う者が居る。一方に、それは北海道名物の、監獄部屋から脱出した人間が、復讐を恐れて隠れているの

、それでいてその位置はというと、確かに、北海道の脊梁山脈の中でも、人跡未踏の神秘境に相違ないのだから、

あった白原圭吾氏を暗殺して終身懲役に処せられ、北海道樺戸の監獄に送られて間なく脱獄し、爾来、杳として消息を

おりました女給の鞆岐久美子というのが、遥々、北海道まで尋ねて来て、思いがけなく面会に来てくれたのです。

を満載した紙面までも残らず複写して、一直線に北海道に帰って来ましたＡは、その後の私の動静を、詳細に亙って

その旨を半狂人のＡに詳しく云い聞かせますと、そのまま北海道に引上げてしまいました。これは申すまでもなく、万一、私の前身が

で、美事に過去の記憶を回復した谷山秀麿は、北海道に引返してから間もなく、副院長の誠意を籠めた手紙を受取ったの

進むべく、とりあえず小樽タイムスを飛び出して、九州北部の大都会、福岡市の片隅に在る小さな新聞社に就職しました。そうしてそこを中心にし

探してまわったものですが、そのうちに偶然にも、福岡市の某大新聞社に保存して在る、六七年前の新聞の綴込みの中から

建っているのが見える。その家は北面の背後を、旭岳に続く峨々たる山脈に囲まれている一方に、前面は切立ったような、

功名心に駆られた結果、夏の休暇を利用して、旭岳の麓の一軒屋の怪奇を探りに来た人間に過ぎなかったのです。…

彼はモウその時には、旭岳の斜面の一軒家が、私の棲家であったことを確信していたもの

を探検して、千辛万苦の末に、ようようの事で旭岳の麓の私の留守宅を探し当てたのです。そうして最早、スッカリ原始

を出すと、すぐにタッタ一人で極秘密の裡に、旭岳の麓へ久美子を迎えに行ったのですか。ヘエ……そこで流石の

た別荘の裏手に流れ着いて、そこに滞在していた小樽タイムスの記者、某の介抱を受けているうちに、ヤット息を吹き返した

……ところでです。その小樽タイムスの記者某と、近隣の医師の介抱によりまして、ヤット仮死状態

から聞いてみますと、その我儘女王の龍代さんは、小樽の本宅に廻って来たＡ記者の報告によって、私の事を

で、両親も兄弟も無い有名な我儘者で、同時に小樽から函館へかけた、社交界の女王と呼ばれていた、龍代さんと

中に居りましたので、難なく途中で押えられて、小樽へ引戻されてしまったものですが……しかし先生はモウ疾っくに

が大きくなってしまった。結局Ａが奉公していた小樽タイムスの政敵、函館時報社の飛行機で撮影された、その家の鳥瞰

面会してみたかったからでした。Ａはその頃、小樽タイムスを罷めて、九州地方をウロ付いているという噂でしたからね

の飛行機に先鞭を付けられて、地団太を踏んでいた小樽タイムス社と、その後援者ともいうべき谷山家の援助を受けまして

手掛りを目標にして、探索の歩を進むべく、とりあえず小樽タイムスを飛び出して、九州北部の大都会、福岡市の片隅に在る小さな新聞社に就職

……自分は九州佐賀の生れで、親も兄弟も無い孤児である。むろん学問という学問も

。むろん学問という学問もしていないが、最近、東京で事業に失敗して、この世を悲観した結果、人跡未踏の北海道の

が樺戸に落付いてから間もなくの事でした。東京で恋の真似事をしておりました女給の鞆岐久美子というのが

あって、催眠術や、鎮静剤を巧みに使い分けながら、無事に東京まで連れて来て、自分の受持の病室に、首尾よくＡを監禁し

その篤志家というのは、東京の目黒に在る精神病院の副院長で、その当時旭川に帰省してい

その篤志家というのは、東京の目黒に在る精神病院の副院長で、その当時旭川に帰省していた、

問題には相違無いので、取るものも取りあえず上京して目黒の精神病院を訪問してみますと……又もシインとするほど脅かさ

ヘエ。ここがその目黒の病院なんですか。ヘエッ。それじゃＡ君もここに居る訳です