博多 鎌倉 増上寺 九州 福岡市 芦屋 福岡 東京 住吉 京橋

私と三人で九州に別居するように取計らった。一時博多の北船という処に仮寓して後、福岡市の西職人町に借家住居を

五月蠅がられたので、母等と共に上京して鎌倉に居住し、麻布聯隊区に籍を移し、たしか乙種で不合格となったの

葬式は増上寺で盛大に行われた。色々、大勢の人々がやって来て告別の焼香

がられるので父は閉口したらしく私と三人で九州に別居するように取計らった。一時博多の北船という処に仮寓して

が済むと間もなく母は妹と、弟を連れて九州に下り、福岡通町に住み、祖母と私もそこへ同居し、中学へ通う

母親に無断で上京して、お祖母様と母親を何故九州に放置しておくか……という事に付いて、猛烈に父に喰っ

軍隊を出ると体力に自信が出来たので九州に下って地所を買い（現在の香椎村）果樹園を営んだ。その時に

火葬にして、お母さんや妹と一緒に三等車で九州へ引上げて、極く手軽い葬式をするつもりです。いいですか」と念を押し

九州で玄洋社葬をして頂くために、東京駅を出発したのは八月二十八

。一時博多の北船という処に仮寓して後、福岡市の西職人町に借家住居をした。その時にお祖父様は中風に罹ら

父は九歳の時に遠賀郡の芦屋で、お祖父様の夜網打ちの艫櫓を押したというから、相当水泳

もなく母は妹と、弟を連れて九州に下り、福岡通町に住み、祖母と私もそこへ同居し、中学へ通うようになっ

中学を出て福岡の市役所に出頭し、徴兵検査を早く受けたいと願ったら、吏員から五月蠅

間もなく郷里の福岡で玄洋社葬にしたいという電報が来たから、これも独断で拝承

又或る時、父は自分が東京から冠って来た臘虎の頭巾帽子をお祖父様に差上げた。お祖父

「あの帽子は東京で一番高価いゼイタクなものだったので、大得意で故郷に錦を飾る

父が東京から電報為替で金一円也を送って来たのもその頃であっ

ヨシ、ミノという二人の俥夫が引く二人引の俥で東京市中を馳けまわっていた。顎鬚を綺麗に削り、鼻の下

が生まれると間もなく、お祖父様とお祖母様が東京をお嫌いになって頻りに生れ故郷を恋しがられるので父は

では今から俺が直接に教育してやろう。母さんも東京へ呼んでやろう……」

途中小郡で東京に病状を問合わせ、糸崎で返電を受取った。

帰らず、家が貧窮の極に達していたらしい。住吉の堂々たる住宅から、博多鰯町、旧株式取引所裏のアバラ屋に移って

父は京橋の本八丁堀に事務所を構え、ヨシ、ミノという二人の俥夫が引く二人