大井川 富山 長崎 東京

ヘ――イ。このたびは二の替りといたしまして朝顔日記大井川の段……テテテテテ天道シャマア……きこえまシェぬきこえまシェぬきこえまシェ

あったが、それでも郵便や為替も来るし、越中富山の薬売りも立ち寄る。それに又この頃は、日ごとに軍服厳めしい兵隊さんが帰省

もなく一家が分散したので、母親に連れられて長崎の親類の処へ行くうちに、あわれや乞食にまで零落して終った

の娘と、その婿になっている電工夫は、目下東京に居るが、急報によって帰郷の途中である。婆さんの屍体は

働き者の電工夫を婿養子に取ったが、今は夫婦とも東京の会社につとめて月給を貰っているとか。

「その娘夫婦が東京に孫を見に来い見に来いと云いますけれども、まあなるたけ若い者

と申しましたけれどもなあ。ワタシは働いたお金をみんな東京の娘の処に送っております。それでも、あると思うならワタシ

最前お話し申上げましたその娘夫婦も、それを恥かしがって東京へ逃げたのだそうでございますが、お安さん婆さんに云わ