薩摩 筑前 九州 江戸 三太郎峠 六本松 熊本 福岡 長崎 東京

も同然じゃ。仕儀によっては与九郎奴を、肥後、薩摩の境い目まで引っ立てて討ち放せ。その趣意を捨札にして、あすこに晒首

斬りなされませ。お斬り下さいませ。そうして……薩摩の国へ、お出でなされませ。のう……お祖父様……」

たら島津の取潰し役は差詰め肥後で、肥後の後詰は筑前じゃ。主君の御本心もそこに存する事必定じゃ。どっちに転んでも損

隠れておるけに、徳川も諦めておろう。……されば九州で危いのはまず黒田と細川（熊本）であろう……と備後殿（栗山

な立ち入った咎め立てするならば、明国、韓国、島津に対する九州の押え大名は、こちらから御免を蒙る。龍造寺、大友の末路を学ぶとも、

「御不審御尤も……実は江戸からチラチラと隠密が入込んでおりまする」

いると見えてのう。この程、大阪乞食の傀儡師や江戸のヨカヨカ飴屋、越後方言の蚊帳売りなぞに変化して、大公儀の隠密が入込み

追っ手は当藩には居らぬ筈じゃ。明後日の今頃は三太郎峠を越えておろうぞ……サ……行こう……立たぬか……コレ与一

大森林と、深い、広い蓮堀を隔てた馬場先、蓮池、六本松、大体山の一帯は青い空の下に向い合って櫨、楓、紅葉の色

……されば九州で危いのはまず黒田と細川（熊本）であろう……と備後殿（栗山）も美作殿（黒田）

「……ヤア……そちは泣いておるな。ハハ。福岡を去るのが、それ程に名残り惜しいか。フフ。小供じゃのう。四書

障子の内側の黒檀縁の炉の傍に、花鳥模様の長崎毛氈を敷いて、二人の若い女が、白い、ふくよかな両脚を長々と

に活躍する延寿国資と、金剛兵衛盛高の二銘刀は東京の愛剣家、杉山其日庵氏の秘蔵となって現存している。