牛込 建仁寺 本郷 青山 下谷 赤坂見附 目黒 銀座

家主は牛込に居た。其処でＡは一つ門の中に二軒の家のある

幾度も本郷、牛込、青山を往復し、家は、遂に我々が借りられることになった。

建仁寺のひどく壊れた外廻りを見廻し、自分は黙って潜り戸をあけた。そして、左右

の模様を見た。気が付かなかったが、表の建仁寺の処には、蔦が房々とまといついて居る。

朝八時頃新聞を見、本郷から下谷の其処まで行くうちに、もう十幾人目かの人と、すっかり話

二人で、青山に出かけた。一丁目の停留場で降り、本郷から来ると右側の、石勝と云う石屋の横を入って、突当りから左に

幾度も本郷、牛込、青山を往復し、家は、遂に我々が借りられることになった

――大家が追い立てる迄は居る決心で――落付き場処を青山の中で見出そうと云うのである。

持って須田町へ行った。そして、銀座行を中止して青山に行った。随分気をつけて広告は見るが、青山には、一寸見当ら

青山に行った。随分気をつけて広告は見るが、青山には、一寸見当らない。案外よいのかもしれないと、家を探す者

一緒に見に行くようにと云うので、二人で、青山に出かけた。一丁目の停留場で降り、本郷から来ると右側の、石勝と

幾度も本郷、牛込、青山を往復し、家は、遂に我々が借りられることになった。

朝八時頃新聞を見、本郷から下谷の其処まで行くうちに、もう十幾人目かの人と、すっかり話が

と相半ばした心持で読みなどし乍ら、「貸家、赤坂見附近」と云うような文字でも見つかると、心をあつめて、間数や

なりかねない。住む人に見すてられたような住宅は、目黒、上大崎辺に随分在ったらしい。広告などに出るようなのは、大抵

あった。Ａが出がけに、一時頃、須田町で会って銀座を歩こうと云って行った。その積りで起きて見ると、卓子の上

、自分はその葉書を持って須田町へ行った。そして、銀座行を中止して青山に行った。随分気をつけて広告は見るが