琉球 首里 那覇市 那覇 鹿児島 石垣島

琉球の那覇市の街端れに△△屋敷と云ふ特種部落がある。此処の住民は

筵を敷いて、悠長で而かも一種哀調を帯びた琉球の俗謡を謡ひながら帽子を編む。草履を作る。夕暮になって男達

剥いで、市場に持って行って売る。蛙は那覇、首里の人々には美味な副食物の一つに数へられて居るのだ。それ

琉球の那覇市の街端れに△△屋敷と云ふ特種部落がある。此処の住民は支那人

は斯う云う賎業（？）に従事して居て、那覇市の他の町の人々には△△屋敷人と軽蔑されて居ても

皮を剥いで、市場に持って行って売る。蛙は那覇、首里の人々には美味な副食物の一つに数へられて居るの

の反射が眼にも肌にも強く当った。――那覇の街の屋根瓦の色は赤い。家々の周囲に高く築かれた石垣の

乍らも、何遍も咳入った）そこで仕方なしに、那覇で仕事の口を捜さうとしてる中に有金を使ひ果して宿屋を

ので、大東島へ出稼人夫になって行く為めに、那覇へ来たのであるが、医師の健康診断の結果、何か伝染病がある

、茶腕や皿を叩いて、何やら訳の解らぬ鹿児島の歌を歌ったり、詩吟をしたり、いきなり立ち上って、棒を振り廻して

こんな気持に倦み切って居た或晩、彼は鹿児島生れの同僚の一人に誘はれて、海岸へ散歩に出た。

石垣島の南東百六十海里の沖に低気圧が発生して北西に進みつゝあると云ふ