非凡なる凡人 / 国木田独歩

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地名一覧

横浜

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友に桂正作という男がある、今年二十四で今は横浜のある会社に技手として雇われもっぱら電気事業に従事しているが、まず

年にめでたく学校を卒業し、電気部の技手として横浜の会社に給料十二円で雇われた。

五郎といい、一人を荒雄という、五郎は正作が横浜の会社に出たと聞くや、国元を飛びだして、東京に来た。正作

小松山

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にあったのを、家運の傾むくとともにこれを小松山の下に運んで建てなおしたので、その時も僕の父などはこういっ

桂正作の父の気象はこの一事でも解っている。小松山の麓に移ってこの方は、純粋の百姓になって正作の父は働い

ハワイ

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家を飛びだし音信不通、行方知れずになってしまった。ハワイに行ったともいい、南米に行ったとも噂させられたが、

東京

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「だから僕は来春は東京へ出ようかと思っている」

「東京へ?」と驚いて問い返した。

「そうサ東京へ。旅費はもうできたが、彼地へ行って三月ばかりは食える

正作が訪ねてきた。そしていうには今度会うのは東京だろう。三四年は帰郷しないつもりだからと。僕もそのつもりで正作

明治二十七年の春、桂は計画どおりに上京し、東京から二三度手紙を寄こしたけれど、いつも無事を知らすばかりでべつに着京後

何がなおもしろい職を得たいものと、まず東京じゅうを足に任かして遍巡り歩いた。そして思いついたのは新聞売り

横浜の会社に出たと聞くや、国元を飛びだして、東京に来た。正作は五郎のために、所々奔走してあるいは商店に入れ

三十四年に至って現われ、五郎は技手となって今は東京芝区の某会社に雇われ、まじめに勤労しているのである。

神田

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はかく労働している間、その宿所は木賃宿、夜は神田の夜学校に行って、もっぱら数学を学んでいたのである。

新橋

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弟や、親戚の女子供を喜ばすべく、欣々然として新橋を立出った。