夜の赤坂 / 国木田独歩

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地名一覧

赤坂

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夜の赤坂

思ふ。京にも田舎ありとはよく言つた諺で、赤坂は先づ京の田舎です。此田舎が東京には沢山にあるので、叔母

其中にも赤坂はさみしい処で、下町、則ち京橋や日本橋に住んで居る者は、狐や

夜になると赤坂で、賑かな処と言ふべきは、たゞ田町、一木、新町、先づ此位

向へ渡ると、此処は麹町区、然し地勢からいふと赤坂に加はへても可いので、山王台は赤坂の者は皆な赤坂

ふと赤坂に加はへても可いので、山王台は赤坂の者は皆な赤坂のものと思つて居ます、つまり山王台は赤坂の

ても可いので、山王台は赤坂の者は皆な赤坂のものと思つて居ます、つまり山王台は赤坂の公園と言つても可い

皆な赤坂のものと思つて居ます、つまり山王台は赤坂の公園と言つても可いので、此処に散歩する者は大概赤坂区の

遅いので人の出は余程減つて居ました。赤坂の中で町らしい町は一木の通だけですけれど、縁日の外は夜も

を閉める家すらある位、夏季なら知らぬこと其他は赤坂の夜は確かに日本橋、京橋、神田、本郷、下谷、浅草などの区より

、北風はピウ/\吹いて寒い/\晩でした。赤坂は東西に長く南北に狭い土地ですから氷川町まで帰るには、随分遠いのです

など、極めて手軽に一夜のなぐさみが出来るのです。ですから赤坂は甚だ狭い区であるが田町、一木の辺だけでも寄席が三ヶ所ほど

山手は総じて樹木が多いが、其中でも赤坂は町の少いかはりに樹木が多く、青山南町、丹後町、氷川町、新坂町辺

日枝神社

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樹木の多いことは今更云ふまでもないが、山王台(日枝神社)は別して三抱も四抱もある大樹鬱として繁り、全山、日影

武蔵野

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星斗闌干、武蔵野は晴れに晴れて、大空を仰げば気も遠くなるばかり。天の川白く霜を

四谷

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は賑かでなく、これを神田の小川町、牛込の神楽坂、四谷の大通などに比べて見ると人の出は十が一にも及ばないの

神楽坂

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さまでは賑かでなく、これを神田の小川町、牛込の神楽坂、四谷の大通などに比べて見ると人の出は十が一にも及ば

渋谷村

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襟を立てゝ表町から東宮御所の前を真直に郡部(渋谷村)まで達する余一里の大道を郡部の方から表町の方へと逆に

丹後町

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赤坂は町の少いかはりに樹木が多く、青山南町、丹後町、氷川町、新坂町辺は庭に樹木が植ゑてあるといふよりも樹木の中

一木町の両側には種々の露店が出る。氷川町、仲町、丹後町、表町、新坂町辺の老若男女がぞろ/\と出かける。山王台の上から

氷川神社

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僕の家は其頃氷川神社のすぐ脇にありましたから、家に帰るには是非神社の傍を通ら

神社の傍を通らなければならないのです。処が此氷川神社、恐らく赤坂区の中これほど物淋しい処はありますまい。

暗いことは山王台の如く、而も其物すごさは却て氷川神社のほうが甚いのです。であるから近処の女などはよく/\

はよく/\の用事がなければ日が暮れて後、氷川神社の傍を通るものは無いのです。況て十時過ぎになると男子とても

のです。この寒空に如何に気楽な恋人同志でもまさかに氷川神社を撰んで散歩は為ません。僕は急に足を止めて聞き耳をたて

氷川町

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晩でした。赤坂は東西に長く南北に狭い土地ですから氷川町まで帰るには、随分遠いのです。僕は外套の襟を立てゝ表町から

にないのです。夏の夜の月の佳い晩など、氷川町に住む人々の中で折々は此境内に清涼の気を納れるべく出かけるものも

町の少いかはりに樹木が多く、青山南町、丹後町、氷川町、新坂町辺は庭に樹木が植ゑてあるといふよりも樹木の中に家

客を呼ぶ。一木町の両側には種々の露店が出る。氷川町、仲町、丹後町、表町、新坂町辺の老若男女がぞろ/\と出かける。山王

本郷

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其他は赤坂の夜は確かに日本橋、京橋、神田、本郷、下谷、浅草などの区よりも二時間位は早く夜が更けると見て

青山

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に今一度万歳の声が起りました。馬車は既に青山の方へと一丁も先きを駈けて居ました。

石のやうに凍り、吹く風は身をきるばかり。殊に青山の大通は道幅の広いだけに風の当が強く、晴天がつゞくと此寒い

牛込

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夜もさまでは賑かでなく、これを神田の小川町、牛込の神楽坂、四谷の大通などに比べて見ると人の出は十が一に

下谷

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は赤坂の夜は確かに日本橋、京橋、神田、本郷、下谷、浅草などの区よりも二時間位は早く夜が更けると見てよろしい

東京

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東京の夜の有様を話して呉れとの諸君のお望、可しい、話し

して居るやうな、画に書いてあるやうな処は東京十五区の中、幾ヶ所もないのであります。

た諺で、赤坂は先づ京の田舎です。此田舎が東京には沢山にあるので、叔母様達の想像して居るやうな、

先づ第一に叔母様などは東京を如何にか賑かな処と思つて、そろ/\と自分の眼で自分

車の轅の下ろされる処は、言はずもがなで、東京の今の紳士といはれる仲間の十の七八は皆な斯んなことを

流石に田町附近は賑かです。殊に赤坂芸者と言つて、東京市中、数ヶ所の芸者の居処の一になつて居るから、夜になる

もこれほどにはないので、其寂寥たる様は、東京の町の中に如何して斯る場処があるかと、とても実地見

東京の冬の夜と来たら実にたまつたものでないのです。道は

あります。年中客の絶えないのを見ても夜の東京から此寄席をはぶくことの出来ないのが解りましよう。

等は常も僕を促して此寄席にゆくのです。東京人士の中以下の娯楽は此寄席にあるので、『どうだね、

掛つたことのない席で、其客とする処は東京で所謂る職人ばかりです。即ち労働者ばかりです。然し小供には却て落語

いふ馬鹿気たことが少くないので、火事と弥次馬は東京の名物、それが夜の街をやゝもすると騒がして居るのです

東京には斯いふ馬鹿気たことが少くないので、火事と弥次馬は東京

の人で、一口に言ふと上流社会を除いた其以外の東京人士の標本は悉く縁日の夜に其御面相から風俗から流行までを陳列する

日本橋

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其中にも赤坂はさみしい処で、下町、則ち京橋や日本橋に住んで居る者は、狐や狸の居る処と心得て居る位。

、夏季なら知らぬこと其他は赤坂の夜は確かに日本橋、京橋、神田、本郷、下谷、浅草などの区よりも二時間位は

麹町

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居ましたが、やがて橋を向へ渡ると、此処は麹町区、然し地勢からいふと赤坂に加はへても可いので、山王

浅草

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の夜は確かに日本橋、京橋、神田、本郷、下谷、浅草などの区よりも二時間位は早く夜が更けると見てよろしいので

神田

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ぬこと其他は赤坂の夜は確かに日本橋、京橋、神田、本郷、下谷、浅草などの区よりも二時間位は早く夜が更ける

縁日の外は夜もさまでは賑かでなく、これを神田の小川町、牛込の神楽坂、四谷の大通などに比べて見ると人の出

小川町

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外は夜もさまでは賑かでなく、これを神田の小川町、牛込の神楽坂、四谷の大通などに比べて見ると人の出は十

渋谷

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襟を立てゝ表町から東宮御所の前を真直に郡部(渋谷村)まで達する余一里の大道を郡部の方から表町の方へと

京橋

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其中にも赤坂はさみしい処で、下町、則ち京橋や日本橋に住んで居る者は、狐や狸の居る処と心得て居る

なら知らぬこと其他は赤坂の夜は確かに日本橋、京橋、神田、本郷、下谷、浅草などの区よりも二時間位は早く夜