鎌倉 大阪 三重県 江戸 富士山 荻窪 東京

「やあ、すてきだなあ。鎌倉の海なんかよりずっといいや。あ、見たまえ、小林君、あんな遠くを

みますと、この女賊は、数年のあいだ、東京、大阪をまたにかけて、数かぎりない悪事をはたらいていたことがわかりました。

よりもっとまえのご先祖はどこのかたですか、もしや三重県のかたではありませんか。」

「ええ、そうですよ。わたしの先祖は三重県の南のほうから出ているのですよ。どうしてそれがわかりました

「それじゃ、いよいよあの島にちがいない。三重県の南のほうの海に、岩屋島（仮名）という小さな島があって

あなたのおじいさんは、ご先祖のすんでいた三重県に、そういう人の近づかない島のあることをごぞんじだったので、

汽車の中でねむって、そのあくる日の昼ごろには、三重県の南のはしの長島町についていました。それは海岸の漁師町でし

にあたる宮瀬重右衛門というのは、明治維新まえまで、江戸でも五本の指にかぞえられる大富豪だったのです。

おくびょう者とでもいうのでしょうね。維新のさわぎで、江戸に大戦争が起こるといううわさを聞きますと、そうなれば自分のような

その上の天井からは、ぴかぴか光るまっ白な絹が、ちょうど富士山のような影で、ベッドの三方にすそをひろげているのです。

宮瀬君のおうちは、東京の西北のはずれにあたる荻窪の、さびしい丘の上に立っていました。このおうちは不二夫君の

宮瀬君のおうちは、東京の西北のはずれにあたる荻窪の、さびしい丘の上に立っていました

、その暗号は兄につたわりました。兄とわたしとは東京に出て、いろいろ苦労をしまして、ふたりとも、まあ人なみの暮らし

宮瀬さん、金塊をかくされた、あなたのおじいさんが東京のかたということはわかっていますが、それよりもっとまえのご先祖

の近づかない島のあることをごぞんじだったので、東京から船で、そこへ金塊をはこんで、かくされたのではない

大急ぎできのうのほら穴にたどりつきました。大岩を取りのけて、東京からリュックサックに入れて持ってきた、長い細引きのはしを、ほら穴の入り口

ぬすみだせなかったものですから、こんどは手をかえて、はるばる東京から、四人の探検隊のあとをつけてきたのです。そして、

しらべてみますと、この女賊は、数年のあいだ、東京、大阪をまたにかけて、数かぎりない悪事をはたらいていたことがわかり