松本市 大阪 下谷 千代田区 麹町 銀座 荻窪 東京 八王子

の手で、近くの町からの電話れんらくによって、松本市の新聞社から呼びよせたものでした。そして、ヘリコプターから、縄ばしごをおろして、ふたり

―三日、旅行中なのです。べつの事件で、大阪のほうへいかれたのです。きょうか、あす、お帰りになるはずだっ

です。明智さんはやっぱりわれわれにも関係のある事件で、大阪の方へ旅行しておられたのですが、それがうまくかたづいたので

「そのことは、小林が大阪へ電話をかけてくれましたので、くわしく知っています。とんだやつに

と、わしの事業の手助けをさせる。東京へも、大阪へも、いや、もっととおくまで、わしといっしょに、遠征するのだ。そして

のおかあさん）とも、相談したうえ、賢二君を、下谷のしんせきにあずける決心をしたのです。

時間を見はからって、広田は自動車にのって、千代田区の明智事務所をたずねました。げんかんのベルをおすと、ひとりの青年が

君は、ある夕方、先生のおつかいに出た帰り道、麹町の探偵事務所のちかくの、さびしい町を歩いていました。

麹町には、いまでも焼けあとの、ひろい原っぱがのこっています。かたがわ

そんなことがあって、数日ののち、真夜中の銀座どおりに、じつに前代未聞の、おそろしい事件がおこりました。

中学二年の山村志郎少年は、銀座うらの小さいお菓子屋さんの二階に、部屋をかりて、おかあさんとふたり

へ、かけだしました。そして、まがりかどまで来て、ヒョイと銀座のおもてどおりのほうを見ると、ずっと向こうのかどに、へんてこなものが

たので、たちまち、さわぎが大きくなりました。深夜の銀座に、カブトムシの怪物があらわれたことが、となりから、となりへとつたわり、

そのとき、怪物はもう、銀座の大どおりへ、はいだしていました。それをおっかけるおまわりさん。さわぎを

て、どこまでもつづいています。あの人どおりのおおい銀座が、夜中には、こんなにもさびしくなるのかと、おどろくほどです。

真夜中の二時ごろですから、銀座には、まったく人どおりがありません。電車の通らないレールばかりが、

怪物は銀座四丁目の四つかどを、数寄屋橋の方へ、まがりました。しばらく走り

しかし、銀座の夜のできごとがあってから、二週間ほどは、なにごともなくすぎさりまし

があるんだ。あんたは、今から二週間ほどまえ、銀座にあらわれた、でっかいカブトムシのことを、知ってるだろう。あれが、鉄塔王国

「それじゃ、夜中に銀座通りを歩いていた大カブトムシは、こんなこしらえものだったのか。なか

の上にかけあがり、かけおりるのです。ちょうどいつかの夜、銀座の大通りで、自動車の車体をのりこして進んだのと、同じいきおいでした

ところが、二週間ほどたった、ある夜のこと、荻窪の高橋太一郎さんのおうちに、おそろしいことがおこったのです。

高橋さんは、昭和鉄工会社の社長さんで、荻窪の、およそ三千平方メートルも庭のある、広いやしきに住んでいました。

は、なにかの神社を、とりかこんだ森なのでしょう。東京の町の中にも、こういう神社の森は、いくらもあるからです

それにしても、ここは、いったいどこでしょう。まだ東京を出はなれたとは思われません。さっき、にせ明智が「おやしろ

れたのですが、それがうまくかたづいたので、きょう東京に帰られて、警視庁へおよりになったのです。さっきのお

「東京にいる。おれは手あらいことはしないから、心配しないでもよろしい。

自動車を運転して、どこか近くの町に出て、東京の明智先生に電話をかければよい。そうすれば、先生じしんで、ここ

、木曾山脈にぞくする、あの高山の山つづきであること、東京からここへ来るのには、どういう道を通るかということなどを、

。将校になると、わしの事業の手助けをさせる。東京へも、大阪へも、いや、もっととおくまで、わしといっしょに、遠征

だ。ちょっきり九時にくるのだ。場所は、新宿駅から八王子街道を、西へ一キロ半ほど行くと、右に常楽寺という大きな寺