我孫子 香取 江戸 水戸 千葉

布川から布佐へ、それから中峠から我孫子へ出て行く竜次郎の見込みで有ったので、市崎から、椎塚下、畑

「今夜のお泊りは布佐で御座いますか。それとも我孫子までお伸し成さいますか」

の道場破りをして来いと申すのでは無い。先ず香取鹿島及び息栖の三社、それに流山在の諏訪の宮、常陸は阿波村の

武者修行としても一種特別の願望を以て江戸を出たので有った。疾くに目的を達して今頃は江戸に帰り、

出たので有った。疾くに目的を達して今頃は江戸に帰り、喜ぶ恩師の顔を見て、一家相伝の極意秘伝を停滞なく受け

「姉御、どうか許して呉れ。如何しても一度江戸へ行って来ねば相成らぬで」

如何も気に成って耐え難い。どうか姉御、一度江戸へ遣って貰いたい。いや江戸へ帰らして呉れとは云わぬ。行かして呉れ

。どうか姉御、一度江戸へ遣って貰いたい。いや江戸へ帰らして呉れとは云わぬ。行かして呉れ。先生御無事ならば、直様

最一つ私は念を押して置きますよ。久々で江戸へ帰ったとて、女という女は、どんな女とでも、仲好くする

ような気が、次第次第に加わって来た。今度は江戸の方へ引附けられて行くので有った。

厚化粧。それで無くても慄いつく程の美しさ。江戸にも珍らしい別嬪で有った。

「御武家様は、江戸へ入らっしゃいますのでしょう」

「私も江戸へ参ります」と問わず語りを娘がした。

為だ。事に依ると早駕籠にするか。兎に角夜通しで江戸へ行く」と答えた。これなら閉口すると思ったのだ。

竜次郎は自分が其夢見の為に江戸へ行くのだから、娘の事にも疑いは挟まなかった。然うして

気の毒で成りません。夢見の悪さがつづくので、江戸へ見舞に帰るとしても、そんな事で私を手放すような虎松では

「皆此身の不覚からだ。此分では江戸へ帰ったとて、よしや師が健在でも、面目無さに顔が合さ

「や、もう江戸行は止す。是から阿波へ帰る。其上で身の潔白を立てよう。兎に角

の意地ですわ。私だって竹割り小虎。さあ旦那様、江戸までお供致しましょう」

此間の夜も。しみじみ云いました通り、私が以前に水戸の藤田先生の御存命中に承わった処では、今に世の中がどんでん返し

士。考えれば考える程気の毒で成らなかった。斎藤弥九郎、千葉周作、桃井春蔵、それ等の剣道師範に比べて、敢て腕前は劣らぬ